ミノは獲物を狩る「悪魔の手」だった!
研究チームは、アオミノウミウシが持つミノの機能の理解を深めるために、行動観察やさまざまな生物を与える実験を行いました。
その結果、アオミノウミシが体の前方のミノをまるで「手」のように使って、小魚のシラスを捕食する行動が見つかったのです。
こちらが実際に獲物を捕食するアオミノウミウシの様子。

シラスだけでなく、さまざまなクラゲに対しても同じようにミノを手のように使って捕食に役立てていることが確認できました。
この結果から、アオミノウミシのミノは外敵からの「防衛」だけでなく獲物の「捕獲」にも役立っていることが明らかになったのです。
アオミノウミウシはミノを柔軟に使うことで、小魚やクラゲ、カツオノエボシなど、さまざまな獲物を食べられるように適応できたのだと考えられます。

この新しい発見は、従来の認識を覆すもので、アオミノウミウシがどれほど柔軟な捕食戦略を持っているかを示すものです。
アオミノウミウシはその美しくファンタジックな姿から、研究者だけでなく、世界中の多くの人からも注目を集めています。
その一方で、アオミノウミウシは長期的な飼育が難しく、その発生や生態の多くは未だ謎に包まれている部分も多いです。
研究チームは今後、実際に自然界で捕食しているアオミノウミウシの行動を観察し、生態の理解を深めていきたいと考えています。