金魚を野放しにすると「全長50センチ」になる⁈
私たちが一般的に飼っている金魚は10センチ程度の小さな魚ですが、野生に放たれると50センチ以上の巨大なサイズに成長することがあります。
これは水槽の限られた環境ではなく、広い湖や川に放たれたことで成長が加速するためです。
実際に、アメリカ合衆国魚類野生生物局(FWS)が、北米にある五大湖の一つ「エリー湖」で行った調査では、通常の金魚とは比べものにならないほど大きな個体が確認されています。
こちらが実際に確認されたモンスター金魚の姿です。

また金魚は水中の食物を大量に食べる「底なしの食欲」を持っており、在来種の魚の餌を奪ったり、産卵場所を荒らしたりしてしまいます。
さらに問題なのは、金魚が水質に与える悪影響です。
金魚は湖や川の底を掘り返してしまう習性があり、その結果、水中の堆積物が舞い上がって濁った水になってしまいます。
この濁りが光の透過を妨げ、藻類が異常繁殖する原因になります。
こうした現象は「アオコ(有害藻類ブルーム)」と呼ばれ、水中の酸素不足を引き起こし、他の生物の生存を脅かすのです。
特に五大湖などの環境においては、こうした藻類の異常発生が水産業や観光業にも大きな影響を与えています。
加えて、金魚は在来のコイと交配して、新たなハイブリッドを生み出すのです。