バイブコーディングとは?

「バイブコーディング」は、AIを活用してソフトウェア開発を行う新しいアプローチで、近年爆発的に注目を集めています。
もともと英語の “vibe(バイブ)” は「雰囲気」や「感じ」「ノリ」といった意味を指し、音楽やコミュニケーションの場面でも「この曲のバイブが良い」「あの人とはバイブが合う」というように使われます。
つまり日本語では、「直感的なフィーリングや雰囲気を重視する」というニュアンスが強い言葉です。
バイブコーディングという用語は、元TeslaのAI責任者であったアンドレイ・カルパシー(Andrej Karpathy)氏が、X(旧Twitter)上で「音楽のリズムのように“ノリ”重視で開発を進める」という趣旨の投稿を行ったことをきっかけに広まったとされています。
彼は、この革新的なスタイルを「軽快なノリで直感を大事にしながら開発を進められる」と表現する際に「バイブ(vibe)」という単語を使いました。
この「バイブ」は先述の通り、「空気感」や「雰囲気」を表す言葉であり、細部にこだわりすぎるのではなく、“大まかなアイデアをベースに開発を加速させる” というニュアンスを持っています。
このスタイルや名称はソーシャルメディアや技術コミュニティを通じて瞬く間に広まり、ブログ記事や動画、SNSなどで言及される機会が急増。
さらに、2024年初頭にはウェブスター辞典(Merriam-Webster)のオンライン版で「Vibe Coding」という用語が正式に記載されるに至っています。
こうした動きは、単なるネットミームや流行語ではなく、新しいソフトウェア開発手法として社会的にも認知され始めていることを示しているといえるでしょう。
そしてこの言葉が示すように、バイブコーディング最大の特徴は、開発者が自然言語や音声などで要望を伝えると、AIが即座にコードを生成してくれるという点です。
たとえば「このボタンを押したらモーダルウィンドウを表示して」といったざっくりした要望でも、AIが適切なコードを書いてくれることがあります。
従来のようにすべてのコードをエンジニアが手動で書き込む必要がないため、作業効率が飛躍的に向上する一方、コードの品質やセキュリティをチェックするプロセスなど、人間による評価が不可欠になります。
また、多様なAIコーディングツールを組み合わせられる点も、バイブコーディングの特徴のひとつです。
以下のようなAIアシスタントが、自然言語→コードへの変換を強力に支援しています。
GitHub Copilot
エディタ内でリアルタイムにコード候補を提示する代表的AI。
自然言語でのざっくりした指示をすばやくコードに落とし込む。
Cursor Composer
プロジェクトの構造や依存関係まで含めて理解し、設計やテストコードまで生成。
直感的な要望や上流工程の考慮を一括でサポート。
SuperWhisper
音声入力に特化し、口頭の指示だけでコードを作成。
“会話感覚”でコーディングが進むため、作業スピード向上に寄与。
Windsurf
フロントエンド開発を支援し、UI変更やコンポーネント生成を自動化。
試作やUIの微調整を素早く反映できる。
Lovable
チーム開発向け機能が充実し、ドキュメントやタスク管理ツールと連動。
チーム全員が同じ“バイブ”を共有しやすくなる。
バイブコーディングの大きな利点は、エンジニアが単調なコーディング作業から解放される点にあります。
コードを書くよりも、システムの設計や品質管理、全体最適を考える戦略的な工程に集中できるようになるため、少人数でも大規模プロジェクトを進められる事例が増えているのです。
ただし、AIが生成したコードに潜むバグやセキュリティリスクを見逃さないためのレビューやテストは不可欠であり、コード生成ツールの使い方だけでなく、コードの妥当性を迅速に判断できる能力もエンジニアには求められています。