100歳にして、ついに母親となる!
「100歳で母になる」と聞けば、人間ではあり得ない話でしょう。
しかしゾウガメにとってはそれが不可能ではなかったようです。
フィラデルフィア動物園で暮らすニシサンタクルスゾウガメ(学名:Chelonoidis niger porteri)の「マミー(Mommy)」は、1932年に動物園にやってきて以来、90年以上にわたりその姿を来園者に見せてきました。
そして2024年11月、彼女はその生涯で初となる16個の卵を産み、そのうち4つが2025年2月末に無事孵化しています。
驚くべきは、その相手もまた高齢であることです。
同種のオスである「アブラッツォ(Abrazzo)」も約100歳と推定されています。
彼は2020年にサウスカロライナ州のリバーバンクス動物園からフィラデルフィアへと移され、この記念すべき繁殖のためにマミーとペアを組みました。

ニシサンタクルスゾウガメはガラパゴス諸島を原産地としていますが、現在ではすでに国際自然保護連合(IUCN)によって「深刻な絶滅危惧(Critically Endangered)」に分類されています。
アメリカの動物園に飼育されている個体数も50匹に満たないのが現状です。
その背景には、人間による乱獲、外来種による捕食、生息地の破壊など、複数の要因が絡んでいます。
今回の繁殖プロジェクトは、ニシサンタクルスゾウガメの絶滅を防ぎ、種の保護活動を進めるための一環として行われました。