画像
Credit: 総合研究大学院大学 – 台湾からデニソワ人—台湾最古の人類化石はデニソワ人男性の下顎骨だった—(2025)
history archeology

台湾最古の人骨はホモ・サピエンスではなく、あの絶滅人類だったと判明!

2025.04.14 12:00:31 Monday

台湾最古の人類化石が、なんと現生人類のものではなく、絶滅人類「デニソワ人」のものであることが明らかになりました。

この発見を報告したのは、総合研究大学院大学、東京大学、九州大学、台湾・國立自然科學博物館らの国際研究チームです。

デニソワ人はこれまでアジア北部でしか見つかっていませんでしたが、今回の発見により、アジア南部にも広がっていたことが突き止められました。

研究の詳細は2025年4月10日付で科学雑誌『Science』に掲載されています。

台湾からデニソワ人—台湾最古の人類化石はデニソワ人男性の下顎骨だった— https://www.soken.ac.jp/news/2025/20250411.html
A male Denisovan mandible from Pleistocene Taiwan https://www.science.org/doi/10.1126/science.ads3888

謎に包まれた絶滅人類「デニソワ人」とは?

かつて人類はアフリカだけでなく、アジアやヨーロッパにも様々な系統の仲間たちが暮らしていました。

その中でも「デニソワ人」は、2010年にシベリアのデニソワ洞窟で見つかった骨からDNAが抽出されることで突如その存在が明らかになった、謎の多い絶滅人類です。

デニソワ人はネアンデルタール人とは別系統の旧人であることがわかっていますが、その確実な化石は、これまでシベリアとチベットの2カ所でしか見つかっていません。

そのため、デニソワ人の姿や生息域は今も謎に包まれており、多くの研究者がその解明に取り組んでいます。

画像
台湾最古の人骨化石/ Credit: 総合研究大学院大学 – 台湾からデニソワ人—台湾最古の人類化石はデニソワ人男性の下顎骨だった—(2025)

その一方、これまでのゲノム研究から、デニソワ人と私たちホモ・サピエンス(現生人類)が遺伝的に交雑していたこともわかっています。

特に東南アジア周辺やオセアニアで数万年前に交雑が起こった可能性が高く、日本列島に暮らす現代人のゲノムにもわずかですがデニソワ人との交雑の痕跡が残っているのです。

こうした研究報告から、デニソワ人の生息範囲は従来の予想よりもっと広かったのではないか、と考えられるようになりました。

そして、その謎に一つの答えを与えてくれたのが、今回の主役である台湾最古の人類化石「澎湖(ほうこ)1号」です。

次ページ台湾に住んでいた男性のデニソワ人と判明!

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

歴史・考古学のニュースhistory archeology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!