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Credit: Pompeii
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ナチスに盗まれ行方不明だった「官能的なモザイク画」、ついにローマに返還

2025.07.17 21:00:51 Thursday

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの将校によって盗まれ、長らく所在不明となっていた古代ローマのモザイク画が、約80年の時を経てついにイタリアへと帰還しました。

描かれていたのは、半裸の恋人たちによる「官能的な愛の場面」

芸術作品としてだけでなく、当時の生活文化を今に伝える重要な遺物でもあるこのモザイクが、なぜ盗まれ、そしてどうやって戻ってきたのか。そ

の背景には、戦争、後悔、そして人間の記憶に対する償いの物語が潜んでいました。

Stolen during WWII, an erotic Roman mosaic returns home https://www.popsci.com/science/ww2-stolen-roman-mosaic/ Restituito al Parco dal Comando Carabinieri Tutela del Patrimonio Culturale un mosaico con la coppia di amanti che un Capitano della Wehrmacht donò a un cittadino tedesco https://pompeiisites.org/comunicati/restituito-al-parco-dal-comando-carabinieri-tutela-del-patrimonio-culturale-un-mosaico-con-la-coppia-di-amanti-che-un-capitano-della-wehrmacht-dono-a-un-cittadino-tedesco/

ナチス将校が持ち去った「官能的なモザイク画」

問題のモザイク画は、トラバーチン(石灰岩)に描かれた約20センチ四方のパネルで、紀元前1世紀から紀元1世紀ごろにかけて制作されたと推定されています。

上半身裸の男性が寝台に横たわり、臀部(でんぶ)をあらわにした女性が背中を向けているという描写は、まさに「ローマの家庭内の愛」を象徴するものです。

このようなモザイク画は、かつての古代ローマの邸宅や別荘の寝室の床に埋め込まれていたとされ、装飾であると同時に、愛や性愛が日常生活に根ざしていたことを物語っています。

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返還されたモザイク画/ Credit: Pompeii

しかし第二次世界大戦の混乱の中、このモザイク画はあるナチスの将校の手に渡ります。

彼は当時、イタリアで軍需補給を担当していたヴェアマハト(ドイツ国防軍)の大尉であり、モザイク画を「贈り物」として持ち去ったとされています。

その後、この作品はドイツに渡り、将校から受け取った民間人の家に秘蔵されることになります。

美術館にも展示されず、学術記録にも載らず、誰にも知られずに眠っていたのです。

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