二つの頭の間に「支配関係」があった⁈
今か7カ月前、イーストベイ・ビバリウムで1匹の「カリフォルニアキングヘビ(学名:Lampropeltis californiae)」が孵化しました。
本種は白地に黒い斑点を持つ無毒のヘビで、綺麗な見た目をしています。
しかしここで生まれたヘビは通常の個体と違い、頭が2つあったのです。
このような状態は「結合双生児(conjoined twins)」と呼ばれ、胎児期に完全に分離できなかった双子が、体の一部を共有したまま生まれてくる現象を指します。
人間では非常に稀に報告されますが、爬虫類などでも極めて珍しい現象です。

このヘビは一つの胴体に二つの頭が並んでいる形をしており、しかもどちらの頭にも明確な生命反応が見られました。
呼吸をし、舌を出し入れし、周囲を見回す。そして刺激されると、片方の頭は明らかに怒りの反応を示すこともあるというのです。
しかし、その2つの頭の間には上下関係のようなものがありました。
ビバリウムのオーナーであるジョナサン・エンバートン氏によれば、食事をするのは決まって「支配的な頭(dominant head)」の方で、もう一方の頭は食べ物に興味を示すことはあっても、実際に食べようとはしないという。
おそらく非支配側の頭の食道は胴体の途中で閉じており、内臓器官を持っていないのだろうと考えられています。
こうした構造は、実は双頭の生物が生き残るためにとても重要なことです。
もしそれぞれの頭が異なる内臓系を持ち、二つの心臓や肺、胃などが競合するような体であれば、互いに生理機能を阻害し合ってしまい、長くは生きられないと指摘されているのです。