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Credit: Johnathan Emberton(facebook, 2025)
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「双頭の白蛇」が米カリフォルニアで誕生!頭に上下関係も

2025.05.19 12:00:55 Monday

米カリフォルニア州で、まるで神話のようなヘビが誕生していたようです。

2023年秋、同州バークレー市にある爬虫類飼育施設「イーストベイ・ビバリウム」で孵化した1匹のヘビが、飼育員たちを驚かせました。

それは頭が2つある「双頭の白蛇」だったのです。

神話や伝説ではしばしば吉兆として語られる双頭の生物だですが、実際の生物学ではきわめて稀な「結合双生児」という現象に属します。

この不思議な生き物が今、想定外の長寿と健康を保ちながら注目を集めているのです。

※ 実際の映像は記事最後に添付してあります。

Rare two-headed snake is surprisingly thriving https://www.popsci.com/environment/two-headed-snake/

二つの頭の間に「支配関係」があった⁈

今か7カ月前、イーストベイ・ビバリウムで1匹の「カリフォルニアキングヘビ(学名:Lampropeltis californiae)」が孵化しました。

本種は白地に黒い斑点を持つ無毒のヘビで、綺麗な見た目をしています。

しかしここで生まれたヘビは通常の個体と違い、頭が2つあったのです。

このような状態は「結合双生児(conjoined twins)」と呼ばれ、胎児期に完全に分離できなかった双子が、体の一部を共有したまま生まれてくる現象を指します。

人間では非常に稀に報告されますが、爬虫類などでも極めて珍しい現象です。

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実際の画像/ Credit: Johnathan Emberton(facebook, 2025)

このヘビは一つの胴体に二つの頭が並んでいる形をしており、しかもどちらの頭にも明確な生命反応が見られました。

呼吸をし、舌を出し入れし、周囲を見回す。そして刺激されると、片方の頭は明らかに怒りの反応を示すこともあるというのです。

しかし、その2つの頭の間には上下関係のようなものがありました。

ビバリウムのオーナーであるジョナサン・エンバートン氏によれば、食事をするのは決まって「支配的な頭(dominant head)」の方で、もう一方の頭は食べ物に興味を示すことはあっても、実際に食べようとはしないという。

おそらく非支配側の頭の食道は胴体の途中で閉じており、内臓器官を持っていないのだろうと考えられています。

こうした構造は、実は双頭の生物が生き残るためにとても重要なことです。

もしそれぞれの頭が異なる内臓系を持ち、二つの心臓や肺、胃などが競合するような体であれば、互いに生理機能を阻害し合ってしまい、長くは生きられないと指摘されているのです。

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