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量子もつれは「瞬間」ではなく誕生には232アト秒のタメ時間があった (3/3)

2025.06.11 17:00:30 Wednesday

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量子もつれ誕生はスロー再生できた

この研究は、「瞬時」だと考えられてきた量子もつれ発生の裏側に時間構造が潜んでいることを初めて示しました。

言い換えれば、極限まで拡大しなければ見逃してしまうような超短時間の物理過程が、量子もつれ成立の瞬間に存在しているということです。

「電子は単に原子からパッと飛び出すわけではありません。電子はあたかも波が原子からあふれ出すようにゆっくりと外へ広がっていき、そこにはわずかな時間がかかるのです。そしてまさにその過程で量子もつれが生じるのです」と、本研究の共著者であるアイバ・ブレジノバ教授(ウィーン工科大学)は強調します。

同様にブルグドルファー教授も「飛び出した電子の誕生時刻は原理的に決定できません。

言い換えれば、その電子自身、自分がいつ原子から離れたのか“知らない”のです」と表現しています。

ミクロの世界では、電子は一瞬のうちに原子から離脱するのではなく、「いつ飛び出したか」という問い自体が意味をなさないのです。

その代わり、電子が原子を離れるタイミングと残された電子の状態とが量子的に絡み合い、2つの電子系全体として初めて整合した因果関係が現れます。

今回の成果によって、この超高速プロセスを理論的に詳細に解析し、時間軸で明らかにすることが可能になりました。

研究チームは「計算上予測されたこの微小な時間差は、実験的にも測定可能」と述べており、今後は実際にこの232アト秒の“もつれ誕生の瞬間”を検出する実験が行われる見込みです。

量子もつれのタイムラインを解明した本研究は、量子力学の基礎的理解を深めるだけでなく、超高速レーザー分光や将来の量子技術の発展にも大きく寄与することでしょう。

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量子もつれは「瞬間」ではなく誕生には232アト秒のタメ時間があった (3/3)のコメント

ゲスト

タイムラグが有るならそれに伴って起こる出来事を検出することで先読みすることも出来そうですね。
もつれが発生した瞬間にそれを壊したり、あるいは発生した瞬間に目的の情報を送ったり。

ゲスト

電子が同種粒子で個体が区別できないことにも関係しているのだろうか?
原子から離脱しようとしている電子と原子に取り残される電子が区別できないため、両者の波動に重なりがある状況では両者がきれいに分離できず量子もつれが発生してしまう、というイメージ?

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