謎の触手の正体とは?
話題のウサギが発見されたのは、コロラド州北部の町フォートコリンズです。
住民たちが町中で見かけた「触手の生えたワタオウサギ」を撮影し、SNSに投稿したことから一気に注目を集めました。
写真には、顔の周りから複数の黒くねじれた突起が伸びるウサギの姿が映っており、まるで怪物が現れたかのように見えたのです。
その奇怪な見た目から「フランケンシュタイン・バニー」「デーモンラビット」「ゾンビラビット」といった呼び名まで飛び交い、インターネット上では不安や驚きの声が相次ぎました。
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ですが、この突起は本物の角ではなく「乳頭腫」と呼ばれるイボの一種です。
突起は角質を構成するタンパク質であるケラチンからできており、長く伸びると角や触手のように見えてしまうのです。
この異常な増殖を引き起こすのが「ショープ乳頭腫ウイルス(Shope papillomavirus)」という病原体です。
このウイルスは1930年代に同じワタオウサギから発見されました。
ショープ乳頭腫ウイルスは蚊やダニ、ノミなどの吸血性の節足動物によってウサギの間に広がり、特に夏場の活動が活発な時期に感染例が増えるといいます。