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Credit: canva
history archeology

2300年前の「頭蓋に穴をあける手術器具」を発見、ポーランド

2025.11.12 17:00:25 Wednesday

ポーランド・ワルシャワ大学(UW)の考古学チームが、同国の大地から驚くべき発見を報告しました。

現代医学から見るとぞっとするような「頭蓋骨に穴を開ける手術」に使われていたとされる、2300年前の鉄製手術器具がケルト人の集落跡から見つかったのです。

ヨーロッパ大陸の片隅に、驚異の古代医療技術と不思議な文化の痕跡が埋もれていました。

2,300-year-old tool used for skull surgery unearthed at Celtic settlement in Poland https://www.livescience.com/archaeology/2-300-year-old-tool-used-for-skull-surgery-unearthed-at-celtic-settlement-in-poland Mazowsze/ Celtyckie narzędzie do trepanacji czaszki odkryte na Łysej Górze https://naukawpolsce.pl/aktualnosci/news%2C110123%2Cmazowsze-celtyckie-narzedzie-do-trepanacji-czaszki-odkryte-na-lysej-gorze

古代ケルト人が残した「頭の手術」の証拠

今回、ポーランド中東部のマゾフシェ地方に位置する「ウィサ・グラ」という遺跡で、鉄製の非常に珍しい手術用器具が発掘されました。

この道具は、紀元前4世紀から3世紀のケルト人が使っていたもので、に用いられていた可能性が高いとされています。

トレパネーションとは、頭蓋骨に人為的に穴を開ける医療行為で、世界中の多くの文化で行われてきた歴史ある技術です。

研究者によれば、この器具は一方が刃、もう一方が突起状になっており、もともとは木製の柄に固定されていた古代のスカルペル(メス)型だと考えられています。

【実際の画像がこちら

ケルト遺跡で同様の手術器具が見つかるのはごく稀で、これまで南ヨーロッパ(ルーマニア、クロアチア、オーストリアなど)の数カ所からしか報告がありませんでした。

「この地に到達したケルト人グループの中には、当時の医学に精通した人物や、道具を製作できる鍛冶職人が含まれていた可能性があります」と研究者は話します。

ただし、現時点でウィサ・グラからは実際にトレパネーション手術を受けた人骨は発見されていません。

チームは「こうした道具の持つ象徴的・呪術的な意味合いも大きかったのではないか」と指摘しています。

次ページ集落と鉄の痕跡、ケルト人たちの多彩な営み

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