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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

恐竜以前にいた「ワニの祖先」の新種発見、アーマーをまとっていた

2025.11.14 22:00:38 Friday

今から約2億4000万年前、そこにはまだ恐竜たちは誕生していませんでした。

しかし、恐竜によく似たハンターはすでに存在していたようです。

このほど、ブラジルで発見された化石がワニの祖先の新種であることが、ブラジル・サンタマリア連邦大学(FUSM)の研究で明らかになりました。

新たに「タインラクアスクス・ベラトール(Tainrakuasuchus bellator)」と名付けられた本種は、鋭い歯とアーマーのような装甲を備えていたとのことです。

研究の詳細は2025年11月12日付で科学雑誌『Journal of Systematic Palaeontology』に掲載されています。

240 million-year-old ‘warrior’ crocodile ancestor from Pangaea had plated armor — and it looked just like a dinosaur https://www.livescience.com/animals/extinct-species/240-million-year-old-warrior-crocodile-ancestor-from-pangaea-had-plated-armor-and-it-looked-just-like-a-dinosaur Newly discovered predatory “warrior” was a precursor of the crocodile – and although it lived before the early dinosaurs, it looked just like one https://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/newly-discovered-predatory-warrior-was-a-precursor-of-the-crocodile-and-although-it-lived-before-the-early-dinosaurs-it-looked-just-like-one/
Osteology, taxonomy and phylogenetic affinities of a new pseudosuchian archosaur from the Middle Triassic of southern Brazil https://doi.org/10.1080/14772019.2025.2573750

恐竜以前の「支配者」を発見

この驚きの発見がなされたのは、ブラジル南部のドナ・フランシスカ市で行われた発掘調査でした。

岩石に包まれて見つかったのは、全長約2.4メートル、体重約60キログラムと推定される大型爬虫類の部分骨格

下顎、脊椎、骨盤帯が良好に保存されており、特に背中には「オステオダーム」と呼ばれる骨質の板、つまりは現代のワニにもみられる装甲の痕跡がはっきりと確認されました。

この生物は「偽鰐類(ぎがくるい、Pseudosuchia)」と呼ばれるグループに属し、恐竜が出現する以前の三畳紀、2億4000万年前の地球でトップクラスの捕食者だったと考えられています。

【復元画像がこちら

その見た目は恐竜と非常によく似ており、首が長く、細長い顎には鋭く湾曲した歯がぎっしり並んでいました。

しかし骨盤の構造や股関節の特徴から、実際は恐竜の仲間ではなく、ワニやアリゲーターなど現生ワニ類の祖先にあたる存在だったことが判明しています。

新種に与えられた学名「タインラクアスクス・ベラトル」は、ブラジル先住民族グアラニー語の“tain(歯)”と“rakua(尖った)”に、ギリシャ語の“suchus(ワニ)”、さらにラテン語の“bellator(戦士)”を組み合わせたもの。

その名のとおり「尖った歯を持つ戦士ワニ」という意味を持ち、ブラジル・リオグランデ・ド・スル州で近年起きた洪水被害に立ち向かった人々への敬意も込められています。

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