多様な捕食者が共存した三畳紀
本種が生きていた三畳紀は、陸上脊椎動物が大進化を遂げ、多様なグループがせめぎ合った時代です。
当時の超大陸パンゲアでは、アフリカや南米といった現在の大陸はまだつながっており、生物は自由に大地を行き来していました。
偽鰐類の仲間たちは、大型で頑丈な獲物にも挑むパワフルな捕食者から、素早い動物を巧みに追う小型ハンターまで、さまざまな生存戦略で生態系に君臨していました。
タインラクアスクス・ベラトールもその一員で、長い首と敏捷な四肢(化石は残っていませんが、近縁種から四足歩行と推定)、鋭い歯を活かし、素早く的確に獲物を仕留めていたと考えられます。
しかし意外なことに、本種はその時代の「最大の捕食者」ではありませんでした。
同じ生態系には全長7メートルもの巨大ハンターも存在しており、“戦士ワニ”は中堅クラスの狩人だったのです。
それでも、オステオダームによる鎧のような防御は、当時の厳しい環境や大型捕食者との競争の中で大きな武器となっていたでしょう。
偽鰐類は多様性に富んでいるものの、化石記録上は極めて稀で、まだ多くの謎に包まれています。
今回の発見は、当時の生態系の複雑さや適応戦略を解き明かす大きな手がかりになります。




























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中生代が「恐竜時代」というのは非常にザックリとした認識で、戦国時代を「信長時代」とか「秀吉時代」と言い切っている様なものです。三畳紀のみならず、白亜紀末までの中生代全期間に於いて所謂“ワニ”…偽鰐類→鰐形類は非常に多様化し、大繁栄していました。よく「恐竜が哺乳類の台頭を抑圧していた」的な言い回しもされますが、寧ろ哺乳類の真のライバルはそれらの偽鰐類や鰐形類。顎関節の構造とそれに伴う歯式・採食方法からロコモーションまで哺乳類そっくりな“ワニ”達は生態的地位も丸被り。哺乳類にとって不利な気候であったと思われる白亜紀の南半球では、哺乳類やキノドン類そっくりに進化した鰐が大放散して繁栄を極め、恐竜をも脅かしていました。一方北半球、特に北米では巨大ワニは存在しているものの“哺乳類型ワニ”は現状未発見、又しても「恐竜・中生代情報アメリカ偏重」問題で、この事実は余り浸透していません。中生代北米の生態系こそが特殊でマイナー、“国竜”ティラノサウルスはその極みとさえ言えるのに…困ったものです。
三畳紀の生態系が更に彩り豊かに…^^
アーマーの様な装甲って…