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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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132億光年先、史上最も遠い「星間塵」を観測 (2/2)

2025.11.19 17:00:51 Wednesday

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長年の“多すぎる塵問題”に光を当てる発見

この発見は、単に「塵が熱かった」という話にとどまりません。

宇宙研究者が長年抱えてきた“ある謎”を解く鍵にもなります。

その謎とは、初期宇宙の若い銀河に「なぜこんなに大量の塵があるのか」という問題です。

星間塵は、星の死や超新星爆発によって生まれますが、塵が銀河に十分たまるには時間が必要です。

しかし、宇宙誕生から数億年しか経っていない若い銀河でも、驚くほど多くの塵が見つかってきました。

研究者たちはこれを「多すぎる塵問題」と呼び、その理由がわからずにいました。

今回、Y1が“非常に高温の塵”を持っていたことは、この問題を再考するヒントになります。

というのも、少量で高温の塵大量で低温の塵は、波長1ミリメートルを超えるような長い電波では、同じような明るさで輝いてしまうため、従来の観測では区別がつかなかったのです。

つまり、これまで研究者が「たくさん塵がある」と判断していた銀河の中には、実は少量だが高温の塵が輝いていただけという可能性があるということです。

今回のように短い波長で温度を正確に測る観測ができてこそ、塵の量をより正確に見積もれるようになります。

チームは今後、Y1のような高温塵を持つ銀河がどれほど存在するのかを調べる予定です。

また、アルマ望遠鏡の高解像度観測によって、銀河内のどこで星が生まれ、どこに塵が分布しているのかを詳しく探る計画も進んでいます。

これにより、初期宇宙の銀河がどのように成長し、どのように元素や塵を蓄積していったのかという大きな謎に迫ることができるかもしれません。

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