今では世界各地のヤマネコがイエネコに置き換わりつつある

こうして北アフリカのヤマネコ由来のイエネコは、ローマ帝国やシルクロードのネットワークに乗ってユーラシアの主要都市へ広がり、各地の「ローカルほぼ家ネコ候補」を押しのけて、ペットのネコ枠を独占していきました。
でも物語はそこで終わりません。
21世紀のいま、イエネコは単に“ネコ枠”を奪っただけでなく、野生のヤマネコそのものを遺伝子レベルで侵食し始めていることが、いくつかの研究から示されています。
ヨーロッパでは、古代にはきれいに分かれていたヨーロッパヤマネコとイエネコが、近代以降の人里拡大とペット増加によって 交配する例が増え、地域によっては大きな問題になっています。
古代DNAと現生ゲノムを比較した研究によると、「純粋なヨーロッパヤマネコ」がほとんど残っていない地域も出てきており、一部の保護区では「どこまでがヤマネコで、どこからがイエネコの血か」をめぐって議論が続いています。
中国西部では、「中国マウンテンキャット」と呼ばれる山地性のヤマネコと、近くの農村で飼われるイエネコのあいだで 数%レベルの遺伝子のやりとりが起きている ことが報告されています。
かつてレオパードキャットが“ほぼ家ネコ候補”として村に出入りしていた中国の山岳地帯でも、いまはF. lybica系イエネコが山に入り込み、一部の地域では逆に野生側の遺伝子プールを塗り替え始めていると懸念される、という皮肉な状況です。
かつて世界には、中国のレオパードキャットやヨーロッパヤマネコのような“ローカルほぼ家ネコ候補”がたくさんいました。
彼らは、完成品イエネコが到来したとき、人間社会のネコ枠から押し出されました。
いま私たちが直面しているのは、その次のフェーズ――比喩で言えば、「世界のヤマネコそのものが、F. lybica単一フォーマットのネコに吸収されていく」という段階に達しつつある、ということかもしれません。
膝の上でのどを鳴らしているネコは、北アフリカで生まれたローカルブランドがチューニングされ、文明とともに世界に広がった“グローバル製品”です。
その成功の裏側で、どれだけ多くのローカル候補と野生のネコたちが席を譲らされてきたのか。
「かわいい」の向こう側にある、この長い競争と置き換えの歴史を知ることは、これからの“ネコとの付き合い方”を考えるうえで、静かなスタートラインになるのかもしれません。
























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