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Credit: Shinji Sugiura(2025, CC BY-SA)
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「音を出すサナギ」の仕組みを解明、天敵への防御システムか (2/2)

2025.12.09 17:00:23 Tuesday

前ページ動かぬサナギが「音」を出す、その正体は?

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天敵をだます「サナギの防御戦略」と今後の展望

エゾスズメの幼虫やサナギが発する音の周波数帯を調べたところ、その多くが鳥や小型哺乳類など、実際に天敵となる動物たちの「聞こえる」範囲にありました。

さらに、この音はヘビの「シューッ」という噴気音に非常によく似ていることも分かりました。

なぜヘビの音をまねる必要があるのでしょうか。

森の中でヘビの音を耳にした小鳥やネズミは、本能的に「危険だ」と感じて身を引くと考えられます。

エゾスズメの幼虫やサナギは、まるで「自分はヘビだぞ」とアピールするかのように、音で天敵を威嚇している可能性があるのです。

今回の研究では、実際にこの音がどれだけ捕食回避に効果があるかまでは検証されていません。

しかし、今後は本物のヘビやサナギの音を天敵に聞かせ、その反応を調べることで、「音による防御効果」の実証が期待されています。

また、「サナギが空気を吹き出して音を鳴らす」という仕組みは、エゾスズメだけでなく他の昆虫にも存在するかもしれません。

普段はほとんど動かず無防備に見えるサナギが、じつは「音」という武器で身を守っていた――この発見は、昆虫の進化の不思議を感じさせてくれます。

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「音を出すサナギ」の仕組みを解明、天敵への防御システムか (2/2)のコメント

ゲスト

気門をラテックスで塞ぎ…呼吸とか大丈夫なのか少し不安になった。
コメディネタでときどきある、静かにさせようとして口塞いでおいたら窒息してたみたいなことにならないかと。

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