ぼんやりと描く性行為の「自然な展開」が危ない

無意識的な台本に本当に問題があるのか?
答えを得るため研究者たちは実験を計画しました。
ただ今回の研究において、被験者たちに性行為をさせることはあまり得策ではありません。
性行為相手の顔や体系の好み、付き合った年数、その日の体調や気分、過去の経験、相手の体への理解など、実際の性行為を実験に組み込むと「自然な展開(台本)」の評価が不可能になる可能性があったからです。
たとえばある被験者Aと別の被験者Bが性行為をしてクリトリスへの刺激の期待度やオーガズムのあるなしを測定するという最も基本的な性科学実験をするとします。
しかし被験者Aと被験者Bがお互いの外見的好みに完璧に合致していた場合、台本など関係なしに「ただ満足した」という感想だけが得られます。
映画で例えるなら、台本は平凡なのに、俳優が凄すぎて映画の興行成績が抜群に良かった場合と言えるでしょう。
これでは「台本」の評価は不可能です。
そこで今回研究者たちは、シスジェンダー(出生時の性別と性自認が一致)でバイセクシャル女性に「純粋な台本」を読んでもらう手法を採用しました。
(※より正確にはバイセクシャル/パンセクシャルに区分される女性被験者でした)
台本はまず「想定する相手が女性」「想定する相手が男性」の場合が比較されました。
結果、被験者女性は相手を女性だと想定したとき「クリトリス刺激の見込み」、「自身の快感に協力してくれる見込み」「自分にオーガズムが起きそう度」の3点について、相手が男性の時よりも一貫して高い評価を行いました。
たとえば「自分がオーガズムが起きそう度」を1〜7点でみると、男性相手の平均は4.81点だったのに対して女性相手では平均5.69点になっていました。
被験者女性は「男女どちらでも付き合えるバイセクシャル」であるため、このような平均点の差は単なる性別の好みだけでは説明しにくい面がありますと筆者は見ます。
(※たとえば同じ女性同士だとクリトリス刺激を十分に行ってくれることを考慮している可能性などです)
そこで研究者たちはデータの分析を深め、男女差の出る原因を探りました。
その結果、統計分析によって「クリトリス刺激の見込み」→「自身の快感に協力してくれる見込み」→「自分にオーガズムが起きそう度」という連鎖が存在することが示されました。
次に研究者たちは「想定する相手が男性」の場合に「過去は挿入のみだった」「いつもクリトリス刺激が入る」「自分が最も確実にオーガズムに達するやり方が入る」という3パターンを台本に追加し、被験者女性に再度評価してもらいました。
すると「いつもクリトリス刺激が入る」「自分が最も確実にオーガズムに達するやり方が入る」という短い文章が台本が入っただけで、被験者女性たちの「自分にオーガズムが起きそう度」が女性相手と同レベルといえる程度まで上昇していることが明らかになりました。
過去に行われた現実ベースの研究では、オーガズムの期待(どれくらい起きそうか)は実際のオーガズム頻度と強く結びつくことが報告されています。
以上の結果は、女性のオーガズム期待は「相手が誰か」だけで決まるのではなく、性の台本も重要であることが示されました。
つまり私たちがなんとなく脳内に抱いている「性行為の台本」は「クリトリス刺激」という部分を強化する脚注を入れることで、女性側のオーガズムの「起きそう度」を上げられる可能性があるわけです。
もし性行為について考えるときがあったら、自分の「性行為の台本」がなんとなく作られたものから、相手の満足を組み込んだ改良版にアップグレードする方法を考えてみるのもいいかもしれません。


























![[コロンブス] キレイな状態をキープ 長時間撥水 アメダス 防水・防汚スプレー420mL](https://m.media-amazon.com/images/I/31-OcmTs2LL._SL500_.jpg)

![シルバーバック【カンタン!たのしい!水の生きもの砂絵セット】 幼稚園 小学校 入園 入学 お祝い プレゼント 準備 ([バラエティ])](https://m.media-amazon.com/images/I/515gZ4F-QYL._SL500_.jpg)























