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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
space

地球誕生の鍵は「超新星の放つ宇宙線」だった (2/2)

2025.12.26 22:00:55 Friday

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「宇宙線浴」が太陽系を包み込んだ

この行き詰まりを打破する新しい理論が、宇宙線浴(Immersion)」メカニズムです。

この研究は、東京大学京都大学などの研究者によって提案されました。

研究チームが注目したのは、超新星爆発が放射性元素そのものを放出するだけでなく、膨大なエネルギーをもつ宇宙線を生み出す点です。

超新星の衝撃波の内部には、高エネルギーの宇宙線が一時的に閉じ込められます。

もし太陽系の原始惑星系円盤がこの衝撃波に包み込まれたなら、円盤全体が「宇宙線の風呂」に浸かる状態になります。

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「宇宙線浴(Immersion)」メカニズムの概念図/ credit: 京都大学(2025)

このとき、宇宙線が円盤内のガスや塵と核反応を起こし、アルミニウム26やベリリウム10などの短寿命放射性核種が、その場で合成されると考えられます。

計算モデルの結果、太陽系を破壊しない安全な距離、約1パーセク(約3.3光年)で起きた超新星であっても、隕石に記録された主要な短寿命放射性核種の量を一貫して再現できることが示されました。

さらに、太陽のような星が生まれる星団環境では、1パーセク以内で超新星に遭遇する確率が10〜50%に達することも分かりました。

これは、太陽系が経験した「宇宙線浴」が特別な幸運ではなく、宇宙では決して珍しくない出来事だった可能性を示しています。

この研究が示すのは、地球の誕生が一度きりの奇跡ではなく、星団の中では比較的ありふれた物理過程の結果だったかもしれないという視点です。

超新星の放つ宇宙線が、静かに原始惑星系円盤を包み込み、惑星誕生の材料を内部から作り変えていたとすれば、地球型惑星は宇宙のあちこちで生まれている可能性があります。

夜空で輝く星の最期が、私たちの足元の大地を形づくった。

そう考えると、地球と宇宙のつながりは、これまで思われていた以上に深いのかもしれません。

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地球誕生の鍵は「超新星の放つ宇宙線」だった (2/2)のコメント

ゲスト

ちょっと説明不足な感じがします。
 どのような機構で高エネルギーの放射線が衝撃波に閉じ込められるのか?
 放射線を閉じ込めている衝撃波の領域が、原始太陽系内の任意の点を通過するまでに要した年月(=放射線浴が原始太陽系内の物質に放射線を浴びせる事が出来た期間)はどの程度なのか?

>十分な量の放射性核種を供給するには、超新星があまりに近くで爆発する必要があり、その距離では原始惑星系円盤そのものが破壊されてしまう

という話において、「あまりに近く」とはどの程度の距離なのか?
 また、超新星が起きた距離が、原始惑星系円盤が破壊されずに済むほど遠い場合には、想定される各放射性核種の量は、隕石を調べた実際の量と比べてどれくらい不足しているのか?

>隕石から見つかる複数の放射性核種の比率

に関して、既存の説とこの記事で紹介している新説では、どんな放射性核種においてどの程度の違いが生じるのか?

等々に関しても記事の中で解説して欲しかった。
 

ゲスト

つまり放射線地獄で焼かれた時期
冥王代以前にそんな時期が有ったと?

シンノスケ

なかなか興味深く、わかりやすい記事でした。
惑星形成時には近傍で超新星爆発がかなりの頻度で起こり、その宇宙線を浴びることで岩石惑星ができたとすると、「地球型惑星は宇宙のあちこちで生まれている可能性」が高く、何かワクワクするような話です。
なお、最初のゲストさんがコメントに書かれているような細かな数字まで記事の中で説明する必要はないと思います。本当に知りたければ、元論文を見れば済むことではないでしょうか。因みに、京大と東大の研究なので、一般向けに解説した記事もすぐに探し出せます。例えば、以下のPDFなども参考になります。
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2025-12/web_2510_Lee-e450561d7890882aeed8e02827add751.pdf
ところで、もっと遠距離の超新星爆発による宇宙線浴は、今でも地球は頻繁に浸かっているはずです。かなり温度は低めですが。そして、この宇宙線が雲を作り、地球は寒冷化したとする説もありますが、逆に雲の水蒸気は温室効果ガスですから、温暖化も起きるはずです。この辺りを詳しく解析した研究はないものでしょうか?

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