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星3の本でも、文学的価値の高いものはある / Credit:Canva
humanities

「星3評価の本」の文学的価値は侮れないと判明

2026.01.09 11:30:44 Friday

世の中には大量の本が存在するため、何を読むか決めるときに「読者の評価」をチェックする人は少なくないでしょう。

とくにオンライン書店や読書プラットフォームでは、平均評価が「星1~5」で分かるため、「星が低い本は避ける」という判断を無意識にしてしまいがちです。

しかし、こうした判断基準に疑問を投げかける研究結果が報告されました。

デンマークのオーフス大学(Aarhus University)の研究チームは、読書プラットフォーム「Goodreads」における平均星評価が、必ずしも文学的価値を正確に反映していないことを明らかにしたのです。

この研究は、Goodreadsで「中間的な評価」を受けている本の中に、文学史的・文化的に重要な作品が数多く含まれている可能性を示しました。

研究成果は、2025年11月20日付の『Zeitschrift für digitale Geisteswissenschaften』に掲載されています。

The book only gets 3 stars… but is considered great literature https://phys.org/news/2026-01-stars-great-literature.html
The Goodreads’ ›Mediocre‹: Assessing a Grey Area of Literary Judgements https://doi.org/10.17175/sb006_002

「星3後半」評価の本、30%は文学的価値が高かった

Goodreadsは、世界中の読者が本を星1から星5で評価する大規模な読書プラットフォームです。

平均星評価は「その本がどれほど良いと感じられているか」を示す指標として広く使われており、読者だけでなく、出版社や研究者も参考にしています。

しかし研究チームが問題視したのは、平均評価がおおよそ3.7〜3.9あたりに集まる「中間ゾーン」です。

星4以上の高評価本や、明確に低評価の本とは異なり、この「3点台後半」の本は「良くも悪くもない」と受け取られやすく、その評価の意味が曖昧です。

研究者たちは、この中間評価が本当に「平凡さ」を示しているのか、それとも別の要因によるものなのかを検証しようと考えました。

そこで彼らは、1880年から2000年にアメリカで出版された約9,000冊の小説を集めた、大規模なデータ集を分析対象としました。

この中から、Goodreadsの平均星評価が中間に位置する約2,150冊を抽出し、詳細な分析を行っています。

重要なのは、Goodreadsの星評価だけで判断しなかった点です。

研究では、文学賞の受賞歴、大学の授業シラバスへの掲載、古典シリーズへの収録、翻訳数、図書館所蔵数といった、文学的・文化的価値を示す複数の指標と照合しました。

これにより、「読者評価」と「文学的評価」がどのように関係しているのかを多角的に検証したのです。

その結果、中間評価に分類された本のうち、約30%が他の基準では文学的に重要とされていることが分かりました。

つまり、平均星評価だけを見ると目立たない本の中に、実は高く評価されるべき作品が相当数含まれていたのです。

「なぜ中間評価になるのか」という点について、研究はさらに踏み込んだ分析を行っています。次項で見てみましょう。

次ページなぜ星3でも価値が高いのか?評価が割れる理由とは?

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