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星3の本でも、文学的価値の高いものはある / Credit:Canva
humanities

「星3評価の本」の文学的価値は侮れないと判明 (2/2)

2026.01.09 11:30:44 Friday

前ページ「星3後半」評価の本、30%は文学的価値が高かった

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なぜ星3でも価値が高いのか?評価が割れる理由とは?

研究チームが注目したのは、「評価の平均」ではなく「評価の分布」です。

平均値が同じであっても、その内訳は大きく異なる可能性があります。

たとえば、多くの読者が星3を付けた結果としての3点台と、星5と星1が入り混じった結果としての3点台では、意味がまったく違います。

分析の結果、とくに読者数が多く「文学的に重要な作品」の一部では評価者の数が増えるほど意見のばらつきが大きくなる傾向が確認されました。

高く評価する読者と厳しく評価する読者が同時に増え、その綱引きの結果として平均値が中間に落ち着いてしまうのです。

すべての重要作品がこのパターンに当てはまるわけではありませんが、「強く好き/強く嫌い」が共存するタイプの作品ほど、この傾向がはっきりと見られました。

一方、文学的に重要でない作品では、評価者が増えても意見はあまり割れず、評価は比較的まとまったままでした。

多くの人が似たような評価を下すため、平均値も読みやすくなります。

研究者たちは、この「評価の分裂」は偶然やノイズではないと結論づけています。

むしろ、強い賛否を引き起こすこと自体が、その作品が読者に深い印象や問題意識を与えている証拠だと考えられます。

平均星評価だけを見ると平凡に見える作品が、実際には読者を強く惹きつけ、議論を生む力を持っている可能性があるのです。

ただし、この研究にも限界があります。

分析対象は1880〜2000年にアメリカで出版された英語の小説に限られており、さらにGoodreadsという特定のプラットフォームの利用者層に依存しています。

また、星評価は読書体験の一部しか反映しない単純化された指標でもあります。

研究チームは今後、レビュー本文に対してトピックごとの賛否を拾うテキスト分析など、より精緻な方法を用いて読者の評価構造を詳しく調べる必要があると指摘しています。

それでもこの研究は、「平均星評価=価値」という単純な見方に疑問を投げかけました。

星3評価の本は、必ずしも無難で退屈な作品ではなく、むしろ読む人を分断するほどの強い力を持った本である可能性もあるのです。

もしあなたが刺激的な読書体験を求めているなら、ぜひ星3評価の本も探ってみてください。

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受験勉強してるんじゃないんだから自分で選べよ

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