長寿の代償は大幅な弱体化だった

レセルピンは種を超えた長寿薬になるのか?
答えを得るため研究者たちはショウジョウバエにレセルピン入りのエサを与えてみました。
結果、まず寿命については予想通り大幅な延長が観察されました。
レセルピンを投与されたハエは投与なしのハエよりも長生きし、特に高用量(1500 µM)では最大寿命が68から81日に約20%も伸びました。
平均寿命もおよそ53日程度から55~57日程度と10%弱の増加を見せました。
この結果は、レセルピンには確かにハエの寿命を延ばす効果があることを示しています。
ところが、寿命と引き換えに運動能力(体力)が明らかに低下してしまったのです。
投与開始からわずか2週間後に行った登り運動試験ではレセルピンを与えたハエは高い位置までほとんど登れなくなっていました。
(※数値で言えば、ハエの登坂指数(壁をどれだけ登れるかを示す指標)は対照群では平均3.78でしたが、レセルピン投与群では1.5前後と半分以下に激減していました。)
加えて、高温ストレスへの耐性も著しく低下しました。
通常、ショウジョウバエは摂氏31℃という過酷な環境下でも中央値で約7日ほど生き延びることができます。
しかしレセルピンを摂取したハエは暑さに弱くなり、生存期間の中央値は1000µM投与群で5日、1500µM群ではわずか4.5日程度と、対照群よりおよそ3割短くなってしまいました。
要するに、レセルピンはハエの基礎能力を弱体化させてしまっていたのです。
では、体の中では何が起きているのでしょうか。
研究チームは、レセルピンを与えた老齢のハエと、そうでないハエの全遺伝子の働き方を比べました。
その結果、エネルギー代謝や免疫に関わる遺伝子の活動レベルが低下していたことが判明しました。
つまりエネルギー消費や免疫の防御力を下げることである種の節約を行い、その結果として寿命を延ばしていた可能性があるのです。
この結果は「長生き=元気」という公式が成り立たない場合があることを示しています。
レセルピンは線虫とハエという進化的にも離れた種の両方に長寿効果をもたらしましたが、ハエでは弱体化という好ましくない効果もついてきてしまったのです。
これは、同じ薬でも「得るもの」と「失うもの」のバランスが種によって変わることを示す例にもなります。
シミュレーションゲームの武将ユニットでたとえるなら、レセルピンを与えると「寿命」というステータスは上がるものの、攻撃力も防御力も低下するという残念な結果になってしまうでしょう。
これは、今後の“若返り薬”の議論にとって非常に重要なメッセージです。
もしかしたら未来の薬局に並ぶ長寿薬には「上がる部分」と「下がる部分」の両方の並記が義務付けられているかもしれません。





























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生命エネルギーの総量は変える事が出来ないのかな?
その範囲内で細く長くか太く短くのいずれかを選択できる時代が来るのでしょうか?
エネルギーの総量を増やすとなると、物理的には身体を大きくして取り込むエネルギーを多く蓄えられるようにすることではないでしょうか。
もし、エネルギーを蓄える際に圧縮という事が出来るようになり、体内で展開して必要な分だけ取り出すことが出来るようになれば、実質的にエネルギーの総量を変えることは可能だと思います。
ただし、そのプロセスを踏むにもエネルギーは必要とされるはずなので、その損失を考えると最初から無駄なエネルギーは使わないという選択をした結果により、様々な生物は今に至っているのではないではないかと思います。
このサイトの以前の記事で、カロリー制限させると、線虫やゼブラフィッシュで長生きするという記事があったと記憶してます。
方法はどうであれ、代謝レベルを下げるとながいきするということでしょうか。
ヒトに限って言えば、一病息災で無理せず慎ましやかに長生きするのと、無病息災・ピンピンコロリで、長生きではないけど健康寿命と寿命がおんなじくらいとどっちの生き方が良いか?の選択になるのでしょう