「問題的になる人」に共通していた特徴
一方で、否定的な動機に基づいてポルノを利用している人々では、まったく異なるパターンが見られました。
ストレスや不安、孤独感を和らげるためにポルノを利用している人ほど、「やめたくてもやめられない」「見たあとに強い後悔や苦痛を感じる」「日常生活の他の活動がおろそかになる」といった問題的な利用の指標が高くなる傾向があったのです。
さらに重要なのは、この問題的利用が、性的な情緒的引きこもりと結びついていた点です。
研究では、否定的動機 → 問題的利用 → 性的低活性化、という流れが確認されました。
性的低活性化とは、性的欲求を抑え込んだり、身体的な親密さを避けたり、性行為の場面で感情的な距離を感じる状態を指します。
つまり、問題の核心は「頻繁に見ていること」ではなく、「感情の対処手段として使われ、制御感を失っていること」にあったのです。
実際、分析の結果、視聴頻度そのものは性的引きこもりを予測しませんでした。
頻繁に視聴していても、肯定的な動機に基づいていれば、むしろ情緒的な引きこもりは少ない傾向すら見られました。
問うべきは「どれくらい」ではなく「なぜ」
この研究が示している最も重要なメッセージは明確です。
頻繁なポルノ視聴=問題行動、という単純な図式は成り立たないということです。
問題を分けるのは回数ではなく、その行動がどのような心理的役割を果たしているかでした。
性的好奇心や楽しみの延長として利用されている場合、それは必ずしも不健康な行動ではありません。
一方で、つらい感情から目を背けるための「逃げ道」として使われ始めたとき、問題的な利用へと変化していく可能性が高まります。
研究者たちは、今後の臨床や支援においても、「見る回数を減らすこと」そのものより、感情調整の方法や、個人が何を求めて行動しているのかに目を向ける必要があると指摘しています。
ポルノは一律に「良い」「悪い」と判断できるものではありません。
それがどのように使われているのか、その背景にどんな心理があるのかを理解することこそが、より現実的で科学的な視点だと言えるでしょう。
























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