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ナルシストを無視すると…… / Credit:Canva
psychology

「ナルシストを無視する」ことに慎重であるべき理由 (2/2)

2026.02.09 06:30:39 Monday

前ページナルシシズムと「受動的攻撃行動」の関係

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ナルシストは「無視された」と感じると、相手の批判に転じる

研究の中で特に注目されたのは、「知覚された排斥」がどの行動を強めたのかという点です。

その結果、「自分は無視された」「外された」と感じている人ほど、ナルシシズム傾向の高さと「批判の誘発」との結びつきが強くなることが分かりました。

一方で、無視し返す行動や妨害行為については、排斥感によるはっきりした増幅効果は見られませんでした。

つまり、ナルシシズム傾向の高い人は、「自分は軽んじられた」「無視された」と感じたとき、相手に直接怒りをぶつけるのではなく、人前で恥をかかせたり、不利な情報を広めたりする形で反撃しやすくなるのです。

この行動は、相手にとっては大きなダメージになりますが、やった側は「事実を言っただけ」「たまたま話題に出ただけ」と言い逃れしやすい特徴があります。

研究チームは、この結果について、ナルシシズムの背景にある自尊心の脆さが関係している可能性があると説明しています。

ナルシシズムの背景には、安定しているように見えて実は脆い自己評価があり、それが排斥によって刺激されると、自尊心を守るための攻撃行動が起こりやすくなるというわけです。

特に批判の誘発は、自分の優位性を取り戻しながら相手の評価を下げられるため、こうした流れの中で選ばれやすい行動だと考えられます。

では、私たちはナルシシズム傾向の高い人にどのように対応すべきなのでしょうか。

今回の研究は、「無視すれば自然に距離が取れる」という単純な期待が、むしろ裏目に出る可能性があることを示唆しています。

意図せず相手を外してしまった場合でも、「あの人は自分を軽んじた」と受け取られれば、思わぬかたちで評判や人間関係にダメージが及ぶかもしれません。

すでに問題が起きている場合には、間接的な仕返しに対して曖昧に済ませるのではなく、その行動がどのような影響を与えたのかを冷静に伝えることが、関係改善につながる可能性があります。

もちろん、すべてのナルシシストが同じように振る舞うわけではありません。

それでも、「無視」や「排除」が強い反応を引き出しやすいことを頭の片隅に置いておくと、人付き合いのリスクを少し下げられるかもしれません。

今回の研究は、何気ない「無視」や「外し」が、人間関係の中でどれほど大きな意味を持つかを教えてくれます。

相手のプライドにどのような影響を与えるのかを意識することが、トラブルを避けるための一つの鍵と言えそうです。

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