最小のゲノムを持つ生命体を発見

生命はどこまでゲノムを手放せるのか?
答えを得るために、研究者たちはまず、世界各地から集めた149種・19科のウンカ標本を集め、ウンカの細胞内に共生している細菌のゲノム(全部の遺伝情報)を分析しました。
その結果、多くのウンカの細胞内に潜む多くの共生細菌(Vidania)は5万〜13万塩基対台のゲノムを持っていましたが、その中に「桁違いに小さい仲間」がまぎれていることが分かりました。
VFSACSP1という株では50141塩基対、VFMALBOSという株では52460塩基対というサイズだったのです。
この5万塩基対という数は、現時点で知られている細菌・古細菌・真核生物、どの生命体のゲノムと比べても最小サイズであり、植物の葉緑体(細胞小器官)よりも小さくなっています。
遺伝子を持つ存在という意味では、ミトコンドリアや葉緑体のような細胞の内部部品(細胞小器官)や、ウイルスのように宿主の細胞を利用して増える存在もありますが、こうしたものはふつう“個別の生き物”とはみなされません。
(※論文でも細胞部品となってしまったミトコンドリアのような存在(オルガネラ)を除くと最小と述べています)
またそこに書かれているタンパク質設計図、つまりタンパク質を作る遺伝子の数は、機能が分かったものに限るとそれぞれ68個と62個しかありませんでした。
ふつうの自立して生きる細菌が数千個の遺伝子を持つことを考えると、驚くほどの「スカスカぶり」です。
では、その少ない遺伝子で何をしているのでしょうか。
詳しく中身を見ると、どちらもDNAやRNAをコピーしたり、リボソーム(タンパク質合成工場)を動かしたりするための基本的な遺伝子と、フェニルアラニンというアミノ酸を作るための遺伝子が中心として残っていました。
このフェニルアラニンというアミノ酸はウンカの表面の殻部分を形成するのに利用されていると考えられています。
一方で、必要な栄養は、ウンカ自身の遺伝子や、別の共生細菌が肩代わりしていることも、同じデータから示唆されました。
結果として、この極小Vidaniaは「フェニルアラニン職人」としてだけ、かろうじて役割を保っていることになります。
研究チームはさらに、電子顕微鏡や蛍光顕微鏡でウンカの体内を詳しく観察しました。
その結果、この極小Vidaniaが住む細胞には、ミトコンドリアがとくに高い密度で集まっていました。一部の個体では細胞質が空洞化するなど、細胞全体が弱っているようにも見えます。
ふつうの細胞が、いろいろな設備がゆったり並んだ工場だとしたら、ここは発電所がひしめく工業地帯の一角だけが、なんとか動き続けているようなイメージです。
それでもVidaniaはそこにとどまり続け、ウンカの外骨格を支えるフェニルアラニンを供給していると考えられます。
まるで、崩れかけの工場の中で、かろうじて一つのラインだけが動き続けているような光景です。



























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