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Credit: canva
biology

ドナーから移植した子宮で「赤ちゃん」が誕生、英国初

2026.02.26 12:00:46 Thursday

「子宮がないから、ご自身で妊娠して出産するのは無理です」

16歳のとき、そう告げられた女性がいます。英国在住のグレース・ベルさんです。

しかしベルさんは、2025年のクリスマス直前、亡くなったドナーから移植された子宮で男の子を出産し、英国で初めて「死亡ドナーの子宮移植による出産」が実現しました。

生後10週の赤ちゃんの名前はヒューゴちゃん。母親のベルさんは、その誕生を「まさに奇跡」と語ります。

Baby boy born to UK mother after womb transplant from dead donor https://www.theguardian.com/society/2026/feb/24/baby-boy-uk-mother-womb-transplant-dead-donor

なぜ「子宮移植」が必要だったのか

ベルさんは生まれつき妊娠に必要な子宮が未発達、または欠損しているメイヤー・ロキタンスキー・キュスター・ハウザー症候群(MRKH症候群)と診断されていました。

月経はありませんが卵巣は正常で、卵子をつくる力はあります。

しかし正常な子宮がないため、妊娠して赤ちゃんを育む「場所」がありません。

英国では約5000人に1人の女性がMRKH症候群に該当するとされています。

妊娠を望む場合、選択肢は限られます。

「子宮移植が実現するのを待つか、代理出産を検討するか」

ベルさんとパートナーのスティーブ・パウエルさん(英ケント州在住)にとっても、現実的な道はそのどちらかでした。

転機は2024年。亡くなったドナーから子宮提供があり、移植が可能だという連絡が入ります。

ベルさんは「完全に突然のことで、本当に興奮した」と振り返りますが、同時に、その知らせが「誰かの喪失」の上に成り立っている事実も強く意識していました。

ドナー家族が差し出したのは、まさに人生を変える“信じられない贈り物”だったからです。

次ページ10時間の手術、体外受精、そして「英国初の誕生」へ

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