自己意識の起源は4億5千万年前の魚だったかもしれない

今回の研究により、「魚でも鏡を渡されてから短時間で自分の体の異常に気づき、その後は鏡を道具のように使いこなすようになる」可能性が示されました。
小さなサンゴ礁の魚が、鏡の前で攻撃モードから実験モードへと切り替わる様子は、コミカルでありながら、自己意識という重たいテーマをぐっと身近に感じさせます。
そして、自己認識は一度だけ霊長類で生まれたわけでも、少しずつ高度になってきたわけでもなく、少なくとも硬骨魚類の共通祖先の段階、つまり約4億5千万年前の段階で存在し、それが子孫の脊椎動物に広く引き継がれ分布しているかもしれないという大胆な仮説を著者たちは提示します。
もし今後、ブタやカラス、エイなど、これまで「テスト落第組」とされてきた動物でも同じような詳細観察や過去映像の再解析が進めば、「どこまでが道具としての鏡利用で、どこからが自己認知なのか」という線引きがよりはっきりしてくるだろうと著者たちは予測しています。
「自分を自分だと感じる」レベルの心が、思っているより多くの生き物に広がっているなら、動物福祉の考え方や、脳がどのように「自分」をモデル化しているかを探る神経科学、さらにはAIが自分の状態をどのようにモニターすべきかという議論にも、静かに影響していくかもしれないと研究者たちは見ています。
私たちが洗面台の鏡をのぞくとき、「いま鏡を見ているこのまなざしは、約4億5000万年前の魚から静かにつながっているのかもしれない」と想像してみるのもいいでしょう。




























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