木々の放電現象、その程度と影響は?
では、なぜ葉の先で放電が起きるのでしょうか。
雷雲の中では、電荷が分離して強い電場が生まれます。
この電場は地面にも影響を及ぼし、反対の電荷を地表に誘導する可能性があります。
そして雲と地面の電荷は互いに引き寄せ合うため、地面側の電荷はできるだけ高い場所へ集まろうとするのです。
森ではその通り道が幹を通って樹冠へと続いており、葉の先で電荷が集中しやすくなります。
ここで重要なのが「尖った形」です。
電気は尖った部分に集中しやすい性質があります。
葉の細い先端や針葉樹の針は、まさに電気が集中しやすい構造です。
こうした状況で電場が一定の強さを超えると、その先端から空気中へ電気が漏れ出し、コロナ放電が生じます。
Corona Discharges Glow on Trees Under Thunderstorms – McFarland – 2026 – Geophysical Research Letters – Wiley Online Library https://t.co/96gZLvqTfa
The forest was always the light show, and we just needed a periscope van to finally see the glow. Nature just dropped the ultimate… pic.twitter.com/qAsd7qWEqn
— Nirmata (@En_formare) February 24, 2026
また、紫外線の量から逆算すると、枝の一部を流れる電流はおよそ1マイクロアンペア程度と見積もられました。
雷の電流が数万アンペアであることを考えれば極めて小さな値ですが、雷雨のたびに繰り返されるとすれば、長期的な影響は無視できないかもしれません。
この放電は森の化学環境にも影響を与える可能性があります。
コロナ放電はヒドロキシルラジカルという反応性の高い分子を大量に生み出します。
これは大気中の汚染物質や、一部の温室効果ガスを分解する「大気の洗剤」とも呼ばれる存在です。
雷雨のたびに森の上空でこうした分子が大量に生まれているのだとしたら、森林は嵐の中で、空気の成分バランスを静かに変えている可能性があります。
とはいえ研究チームは、今回の観測が森のほんの一部に限られていることも認めています。
森全体でどれほどの規模で起きているのか、長期的に木の成長や生態系にどんな影響を与えているのかは、今後の研究課題です。
気候変動によって雷雨が増える可能性が指摘される中、この現象の重要性はさらに高まるかもしれません。
雷は空を引き裂きますが、その足元で森は静かに、目に見えない光で輝いています。
今回の研究は、嵐のもう一つの顔を私たちに教えてくれました。






























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