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サウナと入浴の効果の違いは? / Credit:Canva
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「サウナ」と「入浴」は人体に異なる影響を与える (2/2)

2026.03.05 06:30:11 Thursday

前ページサウナと入浴は人体にどんな影響を与えるのか?

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なぜ「お風呂」のほうが強い反応を引き起こしたのか?

この研究の鍵は「深部体温」です。

体の中心の温度が上がると、体は熱を逃がすために血管を広げ、皮膚に向かう血流を増やします。

すると心臓はより多くの血液を送り出そうとして拍動が速くなります。

座っているだけでも、体の中では軽い運動に似た調整が起きるわけです。

では、なぜ温浴は深部体温を大きく上げたのでしょうか。

理由は、単純に「水のほうが空気より熱を体に伝えやすい」からです。

さらに、熱を逃がす大きな手段である「汗の蒸発」も関係します。

サウナでは汗が蒸発することで皮膚表面の熱が奪われ、体温上昇にブレーキがかかります。

ところが湯に浸かっていると汗は蒸発しにくく、体は熱をため込みやすくなるのです。

実測でもそれが表れました。

今回の条件では、深部体温の上昇は温水浴で約1.1℃、伝統サウナで約0.4℃、遠赤外線サウナではほとんど変化がありませんでした。

深部体温がより上がった温水浴では、心拍数と心拍出量の増加も大きく、体が強い熱ストレスを受けたことが分かります。

血圧についても特徴があります。論文で目立っていたのは「加熱中」の変化で、温水浴では平均動脈圧がより下がりました。

血管が広がることで血管の抵抗が下がり、血圧が押し下げられる方向に働くためです。

一方で、加熱が終わった後まで血圧低下が続くかどうかは、この研究の範囲では分かりません。

免疫と炎症の反応も、温水浴だけがはっきりしていました。

温水浴の後には、炎症に関わる分子の一つであるIL-6が増え、ウイルスなどを攻撃する免疫細胞や、感染した細胞を破壊するタイプのT細胞にも変化が見られました。

逆に、伝統的サウナと遠赤外線サウナでは、同じような明確な変化は確認されませんでした。

ここで大切なのは、これは病気の炎症というより、運動後にも起こり得る一時的な反応だという点です。

体が刺激を受け、それに対応しようとしているサインと考えると理解しやすいでしょう。

そして、もう一つ意外なのが遠赤外線サウナです。

多くの人が「遠赤外線なら体の芯まで温まりそう」と感じますが、今回の条件では深部体温がほとんど上がりませんでした。

論文では、その理由として、参加者が赤外線パネルに均一に囲まれていなかった可能性や、実測の温度がそれほど高くならなかった点が挙げられています。

つまり、「今回の使い方と装置条件では、深部体温を上げる刺激が弱かった」と捉えるのが正確です。

この研究の意義は、受動的加熱を健康に応用する研究にとって「どの方法がどれだけ体のスイッチを入れるのか」を明確にした点にあります。

運動が難しい人にとって、熱療法は魅力的な選択肢になり得ますが、運動の代わりになると結論するのは早すぎます。

また、熱への長時間曝露は心臓や血圧に不安のある人には危険になり得るため、習慣化するなら医療者の判断も重要です。

今後は、高齢者や持病のある人でも同じ傾向が見られるのか、そして単回の反応が長期的な健康指標の改善につながるのかを、より長い期間で検証する必要があります。

さらに、遠赤外線サウナについては装置の形状や温度管理を変えた条件で再比較することも重要になるでしょう。

同じ「温まる」でも、体の中で起きることは想像以上に異なります。

次に湯船やサウナに入るときは、自分の体がどんなスイッチを入れているのかを少しだけ意識してみると面白いかもしれません。

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