・“BMI” に代わる新たな肥満指数 “RFM” が研究者らによって提唱される
・“RFM” は “BMI” よりも「手軽」かつ「正確」とされる
・その正確性を示すデータはまだ少なく、普及にはさらなる長期的な研究が必要とされる
肥満度を表す体格指数として一般的なBMI(Body Mass Index)。あなたの「体重」が「身長」に見合ったものかをチェックするための指標でもあります。しかし、その “BMI” が「過去のもの」となってしまうかもしれません。研究者たちが、“BMI” に取って代わる新指標 “RFM(Relative Fat Mass index)” を提唱しています。
Relative fat mass (RFM) as a new estimator of whole-body fat percentage ─ A cross-sectional study in American adult individuals
https://www.nature.com/articles/s41598-018-29362-1
研究者によれば、“RFM” は “BMI” より正確であり、メジャーさえあれば測定が可能なシンプルな指標であるとのこと。つまり、BMI測定で必要とされる「体重計」は必要ないのです。
“RFM” は「身長」と「腹囲」さえ分かれば測定することができます。測った数値を「男女別」の下の式に当てはめてば、簡単にあなたの “RFM” が算出されます。
男性:64 – ( 20 × 身長 / 腹囲 ) = RFM
女性:76 – ( 20 × 身長 / 腹囲 ) = RFM
“BMI” を測定するには、まず体重(kg)を身長(m)で割って出た数字を、さらにもう一度身長(m)で割る必要があります。そして、その数値が18.5~25であれば「正常」とされます。しかし、専門家はこの指標が「完璧」ではないことを認めています。“BMI” では「性差」が全く考慮されておらず、そこに「筋肉量」といった要素が常に正確に反映されているとは限らないのです。
一方「RFM測定値」は、アメリカで3,456人の成人のデータを検証した結果、「高性能ボディスキャン装置の測定値」とほぼ一致していたことが分かりました。また “RFM” は、研究者らが試した他の「300以上の指標」のどれよりも正確だったとのことです。
この「新指標」が、肥満関連の疾患に苦しむ人々にとって「より手軽で正確な指標」となることが期待されます。とはいえ、その正確性を担保するためには、まだまだデータが不足しているとのこと。しかし将来には、「昔はBMIっていうのがあってね…」という話を若い人に聞かせる風景が見られるかもしれません。