なぜ反物質輸送が重要なのか?

ここまで読むと、「すごいのはわかったけど、結局ただ運べただけでは?」と思うかもしれません。
ですが、本当の問題はここからです。
そもそもCERNで行われたこの実験の目的は、「反陽子と陽子が本当に同じ性質を持っているのか」を極限まで正確に調べることです。
宇宙のはじまりには、物質と反物質がほぼ同じだけ生まれたはずです。
なのに今、私たちのまわりは物質だらけです。
その「なぜ」を追いかけるうえで、陽子と反陽子を極限まで正確に比べることには大きな意味があります。
BASEはすでに、陽子と反陽子の電荷と質量の比を16兆分の1の不確かさまで比べることに成功しており、まさにこの問題の最前線を走っています。
もし両者のあいだに、理論が予想しきれていないズレが見つかれば、なぜ宇宙に物質ばかりが残り、反物質がほとんど見当たらないのかという大問題の手がかりになるかもしれません。
ところがCERNの反物質製造工場は反陽子を作るには最高の場所ですが、精密測定という目で見ると、その“工場”であること自体が弱点になります。
加速器や減速器が近くで動くため、磁場の環境がわずかに落ち着かないのです。
ふつうの感覚ではまったく問題にならないレベルの揺らぎでも、性質の違いを極限まで確かめる大きな障害となってしまいます。
そのためさらに高精度を狙うには精密測定を行う装置は反物質製造工場から離れた場所に置く必要がありますが、これまでは製造工場と測定装置を結ぶ輸送方法がなかったのです。
しかし今回の成功により、それへの道筋が具体的に見えてきました。
研究者たちは最初の目標は、ドイツのハインリヒ・ハイネ大学デュッセルドルフ校にある専用の精密実験室へ反陽子を運ぶことだと述べています。
もしそれが可能ならば、次は「ヨーロッパ中の研究室へ反物質を運ぶ」という段階に入り、反物質研究を大きく前に進める可能性があります。




























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