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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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ウミウシの色彩は「構造色」だったと判明 (2/2)

2026.04.06 17:00:13 Monday

前ページウミウシの色彩は「構造色」を使っていた

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色は「ピクセル」で作られていた

さらに興味深いのは、ウミウシの色の作り方です。

チームは、ウミウシの体表にある色が、連続した塗りではなく「微小な点の集合」として構成されていることを発見しました。

それぞれの点は、特定の色を生み出す独立した構造単位であり、いわば「ピクセル」として機能しています。

この仕組みは、テレビやスマートフォンのディスプレイに似ています。

ディスプレイでは赤・緑・青の小さな点(ピクセル)を組み合わせることで、あらゆる色を表現します。

ウミウシも同様に、異なる色のピクセルを組み合わせることで多様な模様を作り出していたのです。

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ウミウシ/ Credit: ja.wikipedia

さらに、この仕組みは印象派の絵画にもよく似ています。

モネやスーラの作品では、小さな色の点を並べることで、離れて見ると一つの色や形に見えるように描かれています。

ウミウシの体表もまさに同じで、ナノ構造による色の「点描」によって、豊かな色彩が表現されていたのです。

興味深いことに、構造色は通常、見る角度によって色が変わる「きらめき(イリデッセンス)」を伴います。

しかしウミウシの色は、むしろマットで均一に見えます。

その理由は、各ピクセル内の結晶の向きがわずかにバラバラであるためです。

これにより光がさまざまな方向に散乱し、特定の方向に強く反射されなくなります。

その結果、タマムシやチョウの翅のように虹色に輝くのではなく、落ち着いたマットな色として見えるのです。

自然はすでに「ディスプレイ技術」を持っていた

今回の研究は、ウミウシの色の正体を明らかにしただけではありません。

それは「自然界がすでに高度な発色技術を持っている」ことを示しています。

単一の材料であるグアニンから、構造と配置の工夫だけでこれほど多様な色を生み出す仕組みは、極めて効率的です。

しかも色彩の多くを色素に頼らないため、、構造色の特性として、退色しにくく、環境負荷も低い可能性があります。

研究者たちは、この原理を応用することで、持続可能な新しい発色材料の開発につながる可能性があると考えています。

私たちが日常的に目にするディスプレイや塗料の技術も、将来はウミウシにヒントを得たものになるかもしれません。

海の小さな生き物が見せる鮮やかな色彩は、単なる美しさを超えて、最先端の材料科学に通じるヒントを秘めていたのです。

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