猫の「隠された文法」の扉

さらに興味深いのは、「どの表情が、どの順番で出たか」という時間の流れを情報として与えると精度がはっきり上がったという事実です。
私たちは写真を見る感覚で動物の顔を考えがちです。
この瞬間は怒っている顔、この瞬間は落ち着いている顔、というふうに、一枚の画像として理解しようとします。
ですが今回の研究が示したのは、動きの順番の重要性でした。
人工知能は、この「流れ」を追うのが得意です。
研究では、時間の情報を含めたほうが、猫同士のやり取りが友好的かどうかをよりよく見分けられました。
つまり猫たちは、どの表情を出すかだけでなく、どの順番で出すかまでを”文法”として共有している可能性があるのです。
そう考えると、私たちがネコを見る目も変わってくるでしょう。
ネコは必要なときに、必要なだけ、きわめて繊細に相手と同期する動物なのかもしれません。
一方で、人間にはそれが読み取れず、ネコにとっては非常に鈍い相手だと思われている可能性もあるでしょう。
相手の表情をマネする――この一見単純な行動が、実はとても大きな意味を持つかもしれないと、研究者たちは考えています。
というのも、先にも僅かに触れたように、人間を含めた哺乳類の研究では、相手の表情を瞬時にマネする行為と、相手の気持ちが自分にうつってくる現象が、脳のなかで深くつながっていることが次々に分かってきたからです。
今回の研究が示したのは、猫にも、この共感の土台となる仕組みが備わっている可能性が、科学のデータとして初めて示されたということです。
もちろん、「猫に共感がある」と言い切るには、まだたくさんの追加研究が必要でしょう。
脳のなかで何が起きているのか、猫が本当に相手の気持ちを感じ取っているのかは、これから丁寧に確かめていかなくてはなりません。
それでも今回の研究は、見えなかった社会を支えていた「顔の言語」の存在を、初めて数字のかたちで浮かび上がらせたのです。
著者たちは応用先として、さまざまな未来像を描いています。
保護施設での里親マッチングでは、「この2匹はセットで譲渡すべきか」を表情コピペの頻度から推定できるようになるかもしれません。
多頭飼育での相性診断や、獣医療でのストレス評価にも使える可能性があります。
同じ研究チームは、すでに猫の「痛みの顔」をAIが自動で判定するシステムを開発しています。
もしかしたら未来の「ニャウリンガル」は収音マイクに加えて高速カメラが標準搭載されているのが当たり前になっているかもしれません。


























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