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「漢字」から学ぶ構造設計 / Credit:Chloe Doey Leung(The University of Edinburgh)et al., Journal of Applied Physics(2026), CC BY 4.0
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「漢字」から生まれた構造設計、『天』が最強だった (2/2)

2026.04.23 11:30:41 Thursday

前ページ「漢字」から丈夫な設計を学ぶ

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「天」が強い理由

「漢字」構造の丈夫さの鍵になったのは、横方向のつながりです。

構造物に力が加わると、その力は内部を通って分散されます。

このとき、つながりが少ないと一部の細い部分に負荷が集中しやすくなります。

逆に、横線のような部材が加わると、力を複数の経路に逃がしやすくなり、全体として壊れにくくなります。

実際に、「人」をもとにした構造では細い脚のような部分が曲がりやすく、剛性や強度が高くなりにくい傾向が見られました。

一方で「大」や「天」では横線が加わることで構造全体の支え合いが強まり、特に「天」は最も高いヤング率(変形しにくさ)と最大応力を示しました。

論文では、「天」をもとにした構造はヤング率が約92メガパスカル、最大応力が約2.94メガパスカルに達し、比較用のハニカム構造を上回っています。

この研究から見えてくるのは、強い材料は必ずしも特別な成分から生まれるわけではなく、形の工夫によっても引き出せるということです。

そしてさらに面白いのは、そのヒントが工学の教科書だけでなく、古くから使われてきた文字の形の中にも潜んでいた点です。

今回調べられたのはごく少数の漢字にすぎず、研究者たちは今後、ほかの漢字や別の文字体系からも新しい設計の発想が得られる可能性を示しています。

文化的な形は、ただ眺めて楽しむものではなく、未来の材料設計を支える手がかりにもなりうるのです。

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