脳は「ふともも全体」を見ていた
続く第2実験では、研究チームは116人の女性参加者を新たに集め、さらに細かく身体情報を制限しました。
参加者には再び女性の身体画像が表示されますが、今度は画像の一部にデジタルマスクがかけられました。
ある条件では、「外もも」と腰まわりが見え、内もも部分は隠されます。
逆に別の条件では、「内もも」だけが見え、腰まわりや外側の輪郭は隠されました。
研究チームはここで、「脳は単一の特徴だけを利用しているのか」を調べようとしました。
例えば、腰幅だけを見ているのか、太ももの隙間だけを見ているのか、脚の輪郭だけを見ているのか、という問題です。
しかし結果は、かなり興味深いものでした。
外ももだけを見せた場合も、内ももだけを見せた場合も、参加者の体形判断精度は大きく低下したのです。
研究チームは、正確な体格判断には、内ももや外ももを含む下半身の複数の視覚情報を組み合わせる必要があると考えています。
つまり脳は、単独の手がかりではなく、それらの関係をまとめて使っている可能性があるのです。
また研究では、人間の知覚に特有の面白い傾向も確認されました。
非常に細いカテゴリーの身体は本来より大きめに、非常に大きいカテゴリーの身体は細めに判断されやすい傾向がありました。
つまり、極端に細い体形も極端に大きい体形も、脳の中では少し“普通寄り”に見えやすかったのです。
しかも、この傾向は身体情報が制限されるほど強くなりました。
身体情報が少ないと、判断は極端な方向ではなく、より平均的な体形に近い方向へ引き寄せられやすくなると考えられます。
さらに、直前に見た体形にも知覚が影響される現象も確認されました。
直前に細めの身体を見た場合、次の身体もやや細めに判断され、直前に大きめの身体を見た場合、次の身体もやや大きめに判断される傾向があったのです。
こうした結果は、少なくともこの実験課題における体形判断が、写真のような単純な読み取りではなく、直前に見た身体や平均的な身体像の影響を受ける処理であることを示しています。
ちなみに今回の実験は、女性の身体画像を評価したものであり、男性の身体認識へそのまま当てはめることはできません。
それでも今回の研究は、「人間は全身をそのまま見ているわけではない」という、私たち自身の知覚のクセを鮮やかに示しました。
私たちが“見た”と思っている他人の体形は、実際には脳が限られた情報から組み立てた「推測結果」なのかもしれません。



























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