20年越しに正体がわかった「毛むくじゃらの魚」
物語の始まりは2001年、パプアニューギニア付近でのダイビングでした。
サンゴの間を調べていた海洋生物学者のデイビッド・ハラスティ氏は、これまで見たことのない奇妙な魚に出会います。
細長い体つきから、タツノオトシゴやヨウジウオに近い仲間であるカミソリウオ科の魚のように見えました。
しかし、手元の魚類図鑑を調べても、ぴったり一致する種は見つかりません。
「これは科学にとって、まだ記録されていない種なのではないか」
そう感じたものの、魚の正体を確かめるには、写真だけでは不十分でした。
【実際に発見された赤毛マンモスのような魚がこちら】
新種として記載するには、標本を採集し、体の形、骨格、ひれ、遺伝情報などを詳しく調べる必要があります。
その後もダイバーによる目撃情報はありましたが、実際に研究できる標本はなかなか得られませんでした。
転機が訪れたのは2020年です。
オーストラリア北部のケアンズ付近で目撃情報が寄せられたことを受け、ハラスティ氏と共同研究者のグラハム・ショート氏はグレートバリアリーフ周辺の海へ向かいました。
数日かけて大型藻類の中を探し回った結果、2人はついにオスとメスの個体を採集することに成功します。
こうして、長年“正体不明のふさふさ魚”だった存在は、ようやく科学のテーブルに乗ることになりました。





























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