問題なのは、嘘が「増え続ける」「残り続ける」パターンだった
研究では、親の報告と教師の報告を分けて分析しています。
これは、家庭と学校では子どもの見え方が異なるためです。
実際、親と教師の評価は完全には一致せず、それぞれ別の側面を捉えていました。
教師の報告では、子どもたちは大きく3つのグループに分かれました。
最も多かったのは、嘘が少なく、年齢とともにさらに減っていくグループで、全体の73%を占めました。
次に多かったのは、年齢とともに嘘が増えていくグループで22%、残る5%は、幼少期には嘘が多いものの、その後大きく減少するグループでした。
ここで重要なのは、幼い頃に嘘が多かった子どもでも、その後減っていくケースがあったことです。
つまり、「小さい頃によく嘘をつく=将来危険」という単純な話ではありません。
親の報告でも、全体の58%は「時々嘘をつく程度」で安定しており、30%は低頻度のまま減少していきました。
一方で、親から見て「時々嘘をつく程度」が長く続くグループや、幼少期から中期にかけて一時的に増えた後に減っていくグループも確認されました。
そして研究チームは、こうした“嘘の軌跡”が、その後の心理的・法的問題とどう関係するのかを調べました。
教師の報告では、嘘が少ないグループに比べ、嘘が増えていくグループなどで、19歳時点の攻撃性や犯罪歴が高い傾向が見られました。
親の報告では、「時々嘘をつく程度」が長く続くグループで、犯罪歴や反社会性パーソナリティ障害の基準、19歳時点の攻撃性が高くなっていました。
また、6歳時点の攻撃性や12歳時点の衝動性も、嘘の軌跡と関係していました。
たとえば教師報告では、攻撃性や衝動性が高い子どもほど、嘘が増えるグループや、幼少期に高く後で減るグループに入りやすい傾向がありました。
親報告では、攻撃性や衝動性の高さは、「時々嘘をつく程度」が続くグループと関係していました。
この研究は「嘘をつく子は犯罪者になる」と示したものではありません。
重要なのは、嘘そのものではなく、“嘘が長く続くこと”や、“攻撃性・衝動性と組み合わさること”です。
子どもの嘘の多くは成長過程で見られる普通の行動である一方、一部の持続的なパターンは、支援を考える手がかりになり得ます。
子どもの嘘を見るとき、本当に重要なのは、その行動が時間とともにどう変化していくのかを見守ることなのかもしれません。


















































