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説明に合わせて情報が追加されるスライドは学習効果を高める / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
education

情報を小出しに追加する「スライド」が学習効果を高める

2026.07.13 06:30:42 Monday

スライドは、最初からすべての情報を見せた方が親切だと思っていないでしょうか。

しかし、完成版のスライドには、まだ説明されていない図や文章まで並んでいるため、学習者は「いま見るべき場所」を自分で探さなければなりません。

東京理科大学の研究チームは、説明に合わせて情報を小出しにする方が、視線を重要な箇所へ導き、学習後のテスト成績も高めることを明らかにしました。

研究成果は2026年6月25日付で、国際学術誌『Journal of Computer Assisted Learning』にオンライン掲載されています。

説明に合わせたスライド表示で学習効果が向上 ~視線計測により、学習者が重要箇所を早く・長く見ることを確認~ https://www.tus.ac.jp/today/archive/20260709_1132.html
Cumulative Presentation Enhances Learning Outcomes by Directing Learners’ Visual Attention https://doi.org/10.1002/jcal.70286

授業で使用する「スライド」は、「累積提示」と「一斉提示」のどちらが効果的?

スライドを使った授業では、学習者は教員の話を耳で聞きながら、画面上の文章や図、グラフを目で追わなければなりません。

ところが、完成したスライドを最初から表示すると、まだ説明されていない情報まで画面に並びます。

たとえば複数の線が描かれたグラフでは、学習者は内容を理解する前に、「先生がいま話しているのはどの線か」を探す必要があります。

探している間に説明が先へ進めば、音声と図の対応を見失い、重要な情報を十分に処理できない可能性もあるでしょう。

そこで東京理科大学の研究チームは、スライドの情報を説明に合わせて段階的に追加する「累積提示法」に注目しました。

研究には日本人大学生40名が参加し、累積提示法で学ぶグループと、完成版を最初から見せる「一斉提示法」のグループへ、20名ずつ無作為に分けられました。

参加者は事前テストを受けた後、生物の「個体群間の相互作用」を扱う20分24秒の授業動画を視聴しました。

授業は7枚のPowerPointスライドで構成され、教員の音声や説明内容は両グループで共通です。

異なっていたのは、図や文章を説明に合わせて順番に出すか、完成版を最初から表示するかという点だけでした。

授業後には20点満点のテストを行い、授業中の視線も専用装置で記録。

テスト成績は40名全員、視線データは十分な記録が得られなかった4名を除く36名分が分析されています。

その結果、累積提示法のグループは授業後のテスト成績が高く、説明に関係する箇所へ、より早く視線を向け、より長く見ていました。

スライドの見せ方で違いが出たのです。より詳しい結果を次項で見ていきましょう。

次ページスライドの情報を段階的に追加すると、テスト成績が良くなる

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