リモートワークで働く人は、「離職」について考えやすい
新型コロナウイルス感染症の流行以降、リモートワークは一気に広がりました。
通勤時間がなくなり、自宅で集中しやすくなり、家庭の事情とも両立しやすい働き方として、在宅勤務やハイブリッド勤務は多くの人に支持されています。
実際、単純に比較すると、リモートワークをしている従業員は、完全出社の従業員よりも仕事への満足度が高いように見えます。
しかし、ここには注意が必要です。
リモートワークを認めている会社は、そもそも給与水準が高かったり、専門職が多かったり、職場文化が良かったりする可能性があります。
つまり、社員が満足している理由は、本当に「自宅で働いているから」なのか、それともリモートワークを導入できるような、もともと働きやすい職場にいるからなのかを切り分ける必要があります。
この点を検証するため、研究チームは2020年から2023年にかけて、アメリカの7万3000社以上に所属する約16万5000人の従業員データを分析しました。
対象には、リモート勤務、ハイブリッド勤務、完全出社など、さまざまな働き方の従業員が含まれています。
研究では、リモートワークの頻度と仕事満足度、そして会社を辞めたいと考えているかどうかを調べました。
その際、給与、職種、従業員の属性、さらに職場で評価されていると感じるか、管理職を信頼できるか、コミュニケーションがうまく機能しているか、成長機会があるか、報酬制度が公平かといった職場の特徴も統計的に考慮しました。
その結果、最初はリモートワークの頻度が高いほど仕事満足度が高いように見えたものの、上記の要素を考慮すると、その関係は大きく弱まりました。
さらに、職場条件や給与などを考慮した後では、リモート勤務者のほうが、「今後6カ月以内に会社を辞めることを考えている」と答えやすい傾向も見られました。
つまり、リモートワークは満足度と関係しているように見えても、それだけで社員を幸せにしたり、会社につなぎとめたりする万能薬ではなかったのです。
では、なぜこのような結果になったのでしょうか。より詳細な結果は、次項で見ていきます。































