画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
psychology

計画実行の先延ばしをなくす「2つの心理テクニック」 (2/2)

2026.06.16 07:00:49 Tuesday

前ページ心理テクニック1「未来の自分との繋がりを強くする」

<

1

2

>

心理テクニック2「作業前の心理ストレスを再解釈する」

一方で、計画や目標を実行に移す際に、私たちはある種の抵抗感を覚えます。

「実際にやろうとすると面倒臭い」とか「失敗するのが怖い」とか「うまくいかなかったら自信を失くすかも」といった心理的ストレスが重くのしかかるのです。

そして多くの人は、この心理的ストレスの感覚を「まだ自分に準備ができていないサインなのではないか」と受け取っているというのです。

そのため、「もう少し気分が乗ってから始めよう」「不安が消えてからやろう」と考え、その結果、先延ばしが発生してしまうのです。

しかし心理学では、この心の反応を別の形で捉え直す方法があります。

それが「ストレス覚醒の再解釈」です。

心理学者いわく、これは緊張や心拍の高まりを「自分は不安になっている」と見るのではなく、「体が課題に向けて活性化し、準備している証拠である」と捉え直す方法です。

2024年に『Scientific Reports』で発表されたメタ分析では、ストレス覚醒の再解釈や、ストレスを役立つものとして捉える介入が、課題パフォーマンスに与える影響を分析。

その結果、全体として効果は決して大きくはないものの、課題成績を有意に改善する傾向が示されました。

これは「緊張や不安を打ち消すこと」が常に最善の策とは限らないことを示しています。

大事なのは、緊張そのものを敵と決めつけないことです。

プレゼン前に心臓が速く打つのは、失敗の合図ではありません。

難しい作業を前に体がこわばるのも、逃げるべきサインとは限りません。

むしろ、それは体が注意力を高め、エネルギーを動員しようとしている状態かもしれないのです。

画像
作業前の心理ストレスを読み替える/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

心理学者が提唱する実践方法はとても単純です。

先延ばしにしていた作業を始める直前に、10秒だけ止まります。

そして、今の心や体のストレス反応を再解釈して、自分に言い聞かせます。

例えば、「失敗しそうで不安だ」ではなく、「心と体が活性化し、チャレンジする準備が整い始めている」というように。

他にも「気乗りしなくて面倒だ」といったネガティブ感情は、「それは脳がエネルギーを使う作業だと認識している証だ。これは脳が集中力を発揮する準備段階にあるのだ」といったポジティブ感情に読み替えるのです。

もちろん、これらの方法でどんな先延ばしも、すぐに消えるわけではありません。

強い不安や疲労、過重労働がある場合は、環境調整や休息も必要です。

それでも、日常的な「始める前の抵抗感」には、こうした読み替えが役立つ可能性があります。

計画を実行できる人は、必ずしも意志が鉄のように強い人ではありません。

そうではなく、先延ばし癖を減らす第一歩は、

・未来の自分とのつながりを強くし、現実的な自分として感じ直すこと

・心の不安や緊張、怠惰を「止まれ」ではなく、「準備完了」のサインとして読み替えること

なのかもしれません。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

0 / 1000

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!