脱抑制をコントロールする方法とは?
それでも、脱抑制が高い人と関わると、周囲はしばしば振り回されます。
たとえば、
会う約束をしていたのに、相手が来ない。
大事な予定を確認したのに、返信がない。
誕生日や記念日を忘れられる。
必要な予約や手続きを、本人がすっかり失念している。
こうした出来事が重なると、周囲の人は「自分は軽く扱われているのではないか」と感じてしまいます。
しかし脱抑制の厄介なところは、本人もまた、その結果に苦しんでいる場合があることです。
計画を立てても守れない。
やる気はあるのに準備ができない。
本当は大切にしたい人を、うっかり傷つけてしまう。
後から謝らなければならない場面が増える。
こうしたことは、人間関係、家庭生活、仕事、健康管理など、さまざまな領域に影響します。
散らかった部屋、忘れられた予定、すっぽかされた予約は、脱抑制が日常生活に及ぼす影響のわかりやすい例です。
しかも、性格特性は一般に、人生の中で比較的安定していると考えられています。
つまり、脱抑制の傾向を完全に消すことは簡単ではありません。
変化には時間がかかり、本人の努力や周囲の理解、場合によっては専門的なサポートが必要になることもあります。
では、どうすればよいのでしょうか。
まず役立つのは、自分の衝動が強まりやすい「トリガー」を知ることです。
悲しみ、怒り、退屈、ストレス、空腹などは、衝動的な行動を強めることがあります。
たとえば、悲しいときに食べすぎてしまう。
退屈なときに、必要のない買い物をしてしまう。
ストレスが強いときに、相手の気持ちを考えずに言葉をぶつけてしまう。
こうしたパターンに気づけるようになると、衝動が行動に変わる前に、少しだけ距離を取れるようになります。
トリガーを意識し、前もって気づくことで、衝動のままに動く代わりに、散歩をする、友人に連絡する、少し時間を置くといった別の選択肢を取りやすくなります。
脱抑制は、責めれば消えるものではありません。
むしろ、本人も周囲も「これはその人の性格特性の一部として現れている」と理解することで、より現実的な対処がしやすくなるのです。
まとめ
脱抑制について知ることは、「だから何をしても許される」という免罪符を与えることではありません。
約束を忘れたなら、相手は傷つきます。
不用意な言葉を口にしたなら、謝る必要があります。
衝動的な行動で問題が起きたなら、本人も責任を引き受けなければなりません。
しかし同時に、脱抑制という性格特性を知ることで、責め方や支え方は変わります。
本人は、自分がどんな状況で衝動的になりやすいのかを理解し、先回りして対策を立てることができます。
周囲の人は、その行動をすべて「自分への軽視」や「悪意」と受け取らず、より冷静に距離の取り方を考えることができます。
人の性格には、きれいに長所と短所を分けられない部分があります。
脱抑制もその1つです。
それは人を困らせ、失敗を生み、周囲を苛立たせることがあります。
しかし同時に、創造性、大胆さ、自由さ、今を生きる力として現れることもあります。
大切なのは、それを否定することでも、無条件に肯定することでもありません。
まずは、その特性がどのように働いているのかを知ることなのです。



























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