なぜ夜型だとお腹側に脂肪が偏るのか
今回の研究の特徴的な点は、X線を使った装置で全身の脂肪を測定し、お腹側の脂肪と腰・お尻・太もも側の脂肪の割合まで比べていることです。
研究チームによると、睡眠のタイプと、この脂肪分布の指標との関係を調べた例は今回が初めてだと述べています。
今回の研究では、夜型女性は体脂肪率が高いだけでなく、下半身よりもお腹まわりに脂肪が偏る傾向も示されました。
では、なぜ夜型の人では脂肪がお腹側に偏る傾向があるのでしょうか。
既存の研究では、朝から日中はインスリンが比較的働きやすく、食事から取り込んだ糖を処理する能力も高いことが示されています。
一方、夜になると糖を処理する能力や、脂肪をエネルギーとして使う効率が低下します。そのため夜遅い時間に多く食べる生活が続くと、糖や脂質を処理しにくくなり余ったエネルギーが体脂肪として蓄積しやすくなります。
ただし、なぜ脂肪がお腹側に偏ったのかは、今回の研究では明らかになっていません。
今回の結果で注目すべきなのは、夜型女性では体脂肪の「量」だけでなく、「つく場所」にも違いが見られたことです。
では、夜型の人はどのように食生活を整えればよいのでしょうか。
今回の研究は食事時刻を変える実験ではないため、夕食を何時までに済ませればよいかという基準までは示していません。
ただ、研究結果とこれまでの知見を踏まえると、遅い時間に集中している食事の一部を、朝や昼へ移すことが現実的な改善策になると考えられます。
朝食を取ると一日を通してお腹が減りにくくなるという研究報告もあります。
そのため夜の食事を我慢するのではなく、日中の食事を充実させ、就寝直前や夜中にお腹が減るという状況を起こさないようにすることが無理のない方法になるのです。
論文が引用している模擬夜勤の研究でも、夜間ではなく日中に食事を取った場合、糖を処理する能力やインスリンの働きが良好だったと報告されています。
ただし、今回の研究は一時点の生活と体の状態を比べたものであり、夜の食事が体脂肪を増やしたと断定することはできません。
また、対象はニュージーランドの若い女性に限られ、夜型群には民族的・社会経済的背景の偏りもありました。
今後は、食事の時刻を実際に前へ移すことで、体脂肪率やお腹まわりの脂肪が変化するのかを長期的に確かめる必要があります。
それでも今回の研究は、健康管理では1日に食べた総量だけでなく、その食事が朝と夜のどちらに偏っているかにも目を向ける価値があることを示しています。
夜型の生活をすぐに変えることが難しくても、食事の重心を少し日中へ移すことなら、取り入れやすい工夫になるかもしれません。





























