デオキシコール酸は大腸がんの「原因」なのか
マウスで主に増えたのは小さな腫瘍で、大きな腫瘍には明確な増加が見られませんでした。
研究チームはこの結果から、デオキシコール酸がすでにできた腫瘍を大きくするより、腫瘍ができ始める段階を促した可能性があると解釈しています。
ただし、デオキシコール酸を作る細菌だけで、健康な大腸に腫瘍が生じるわけではありません。
腫瘍の増加が確認されたのは、遺伝的な要因や炎症などによって、もともと大腸がんが生じやすい状態にした動物でした。
したがって、デオキシコール酸は単独で大腸がんを発生させる原因ではなく、西洋型の食事と腸内細菌を介して、すでに存在する発がんリスクをさらに高める要因だと考えられるのです。
そのため、単純にデオキシコール酸を大腸がんの原因となる悪者のように解釈しないよう注意が必要です。胆汁酸や二次胆汁酸(デオキシコール酸のような胆汁酸から腸内細菌が作る物質)には、腸の状態を保ち、傷んだ組織の再生を助ける働きもあります。
研究チームは、デオキシコール酸を完全になくすのではなく、過剰に作られる状態を抑えることが、将来の予防や治療につながる可能性を指摘しています。
もちろん、今回の研究は直接人間を調べた研究ではないため、そのまま人間に適用できる話であるかはまだ明確ではありません。
今後は、人間を対象とした長期的な食事研究で、今回の結果を確かめる必要があります。
とはいえ、食物繊維を含む食品を増やし、加工肉や赤肉に偏らないようにするという既存の食事上の助言と整合性はある報告なので、大腸がんを警戒するならば、西洋式の食事は控えるよう心がけた方が良いでしょう。































