「たった1回」でも危険なのか?
ここで気になるのが、「では重度の日焼けを1回しただけでも危険なのか」という点です。
今回の解析では、痛みや水ぶくれを伴う重度の日焼けを「少なくとも経験したことがある人」でも、経験がない人と比べてcSCCのオッズが38%高いという関連が確認されました。
一見すると、「たった1回の日焼けで38%上昇した」と読みたくなります。
しかし、そこまで断定することはできません。
このグループには、重度の日焼けを1回だけ経験した人だけでなく、複数回経験した人も含まれている可能性があるからです。
つまり今回の研究から正確に言えるのは、重度の日焼けを少なくとも一度経験したことがある人では、経験がない人よりcSCCが多かったということです。
「1回の日焼けそのものが原因となって、がんリスクを38%上げる」と証明されたわけではありません。
また、日焼けが多い人ほど屋外で過ごす時間が長く、生涯に浴びる紫外線の総量そのものが多かった可能性もあります。
さらに多くの研究では、何十年も前の日焼けを本人の記憶から回答してもらっているため、記憶の誤差も避けられません。
そのため今回の研究は、重度の日焼けとcSCCの間に関連があることを強く示していますが、日焼けが直接がんを引き起こしたと証明した研究ではありません。
それでも、水ぶくれができるほど肌を焼くことを「数日痛いだけ」と考えるべきではなさそうです。
日焼けの赤みや痛みは消えても、紫外線によって受けたDNA損傷までなかったことになるわけではありません。
過去の日焼けを取り消すことはできませんが、新たな重度の日焼けを増やさないことはできます。
日焼け止め、帽子、衣服、日陰を組み合わせ、特に子どものころから「肌が真っ赤になるまで焼かない」ことが、将来の皮膚がんを防ぐための重要な対策になりそうです。

































