井戸の使用を終えるために「人間を埋葬」した?
そして、この構造物の底から見つかったのが成人1人の遺骨です。
遺体は最下層の堆積物の中に横たえられていました。
一方で、遺体と一緒に埋める一般的な副葬品は確認されていません。
代わりに注目されたのが、遺骨の上を覆うように堆積していた大量の動物の骨です。
そのさらに上には、ほかの遺物をほとんど含まない、木炭を多く含んだ層がかぶせられていました。
加えて、内部へ続く石段も意図的に塞がれたような状態になっていました。
チームは、こうした一連の特徴が偶然ではなく、この施設を使わなくする際に行われた儀式的な「閉鎖」を示している可能性があると考えています。
つまり、水などをためる目的で使われていた施設の役目を終える際、底に人間を埋葬し、その上に動物骨や木炭を重ね、最後に入口を塞いだという可能性です。
鉄器時代の重要な場所を閉鎖する際に埋葬を伴う例は、スコットランドの別の遺跡でも知られています。
ただし、今回の構造物が本当に儀式用の井戸だったのか、そして埋葬が閉鎖儀式の一部だったのかは、まだ確定していません。
また現時点では、遺骨の性別や死亡時の年齢、死因も正式には確定していません。
今後は人骨の分析に加え、放射性炭素年代測定、土壌サンプル、動物骨、出土品などの調査が進められる予定です。
約2000年前、人々はこの石造施設を何のために造り、なぜ最後に人間をその底へ横たえたのでしょうか。
今回の発見は、鉄器時代のスコットランドで「場所を終わらせる」という行為が、単なる放棄ではなく、死者や動物を伴う特別な儀式だった可能性を示す興味深い手掛かりです。
ただし、その本当の意味を知るには、眠っていた遺骨と遺物のさらなる分析を待つ必要があります。



































