8万匹の小さなタコを海へ放流
「Octo-Blu」プロジェクトでは、港町チェゼナーティコの研究施設でマダコの幼生を育てています。
十分に成長した小さなタコは数千匹ずつ海へ運ばれ、海中の岩礁付近に放流されます。
さらに研究チームは、タコが定着しやすくなるように、セメントと粘土で作った人工的な巣穴も海底に設置しました。
6月以降、すでに約8万匹が放流されており、チームは8月末までにその数を倍増させる計画です。
狙いは、沿岸部に小規模なタコの集団を定着させ、ブルークラブを継続的に捕食させることです。
こちらで、ブルークラブを仕留めるタコの様子がご覧いただけます。
※ 視聴の際は、音量にご注意ください。
ただし、タコを放てば問題が一気に解決するわけではありません。
ブルークラブの被害が特に激しいのは、暖かく砂地の多いラグーン地帯ですが、マダコはこうした環境をあまり好みません。
そのため、最も被害の大きな場所ではタコによる効果が限定的になる可能性があります。
そこでチームはタコだけでなく、ブルークラブを食べる可能性のあるスズキや、甲殻類の卵を好んで食べるウナギにも注目しています。
複数の捕食者を組み合わせることで、ブルークラブの増殖を抑える方法を探っているのです。
ブルークラブは1匹のメスが数百万個もの卵を産むほど高い繁殖力を持っています。
すべてが成体になるわけではありませんが、それでも研究者は、タコが産卵前のメスを1匹捕食するだけでも、その後に生まれる膨大な数の個体を減らせる可能性があると考えています。
外来種に対し、人間が直接駆除するのではなく、その捕食者を利用して勢力を抑える今回の試み。
もちろん、生態系に別の影響を与えないかを慎重に見極める必要があります。
それでも、タコがブルークラブの増殖をどこまで抑えられるのかが確認されれば、アドリア海沿岸の漁業と海洋環境を守る新たな選択肢になるかもしれません。


































