エネルギー工場の働きが落ち、守りの信号が弱っていた

細胞で起きることを見るための材料は、生まれたばかりのマウスの脳の神経の幹細胞です。この細胞にアスパルテームを48時間与えておき、そのうえで酸素と糖を断ちました。
細胞の生存率は、酸素と糖を断っただけの場合より約25%大きく落ちました。通常の酸素の条件では、甘味料の影響はほとんどありません。
細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの中には活性酸素がたまり、膜の電位が失われて働きが落ちていました。
細胞をストレスから守る信号の経路(ERK/CREB1)の働きも落ちていました。薬でこの経路を動かし、ミトコンドリアの活性酸素を取り除いた細胞では、細胞死と炎症が部分的に和らいでいます。
炎症を進める物質の遺伝子の働きも上がり、神経細胞へ育つ細胞の割合は減っていました。この変化も、守りの経路を活性化すると和らぎました。
研究チームのまとめでは、甘味料の害はストレスに依存する形で現れました。通常の酸素の条件ではほとんど影響がなく、酸素と糖が断たれた条件で、ミトコンドリアの不調と活性酸素の蓄積、守りの信号の抑制が重なって傷が広がったのです。
限界もはっきりしています。与えた期間は7日間で、人が毎日長年飲む状況とは違い、実験は雄のマウスだけで、行動や認知の変化は調べていません。
人が長年少しずつ飲み続けたときに脳の耐性がどう変わるのか、人でも同じ経路が働くのかは、これからの検証に残されています。今回の結果が示すのは、血流が途絶えて戻るという強いストレスの下で、この甘味料が細胞の守りを弱める側に働きうる、ということです。



























