チワワは実はコヨーテの血を引いていることが判明
チワワは実はコヨーテの血を引いていることが判明 / Credit:Canva
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チワワは実はコヨーテの血を引いていることが判明 (3/3)

2026.09.16 21:00:50 Wednesday

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コラム:遺伝学は「弱い犬ほどよく吠える」に迫っている

コラム:遺伝学は「弱い犬ほどよく吠える」に迫っている
コラム:遺伝学は「弱い犬ほどよく吠える」に迫っている / Credit:Canva

自分の何倍もあるに向かって、小さなチワワが全力で吠えかかる。

その姿を見て、「弱い犬ほどよく吠える」ということわざを思い出す人もいるでしょう。

近年の犬の研究では、そんな直感があながち間違いでないことが見えてきました。

たとえばアメリカのペンシルベニア大学のダフィー氏らは2008年、30を超える犬種の飼い主を対象に調査を行いました。

その結果、チワワとダックスフントは、人に対しても犬に対しても、攻撃性が平均より高く出ました。

さらに同じ研究者らのまとめによると、攻撃性や怖がりの点数が高く出やすい小型犬種は、飼い主への甘えや「構ってほしい」気持ちの強さでも高い点がつきやすい傾向がありました。

強気な態度と、怖がりな心と、飼い主べったりの甘えん坊ぶりが、同じ小さな体に同居しているのです。

では、この傾向は犬種ごとの個性なのでしょうか、それとも体の小ささそのものなのでしょうか。

オーストラリアのシドニー大学のマクグリービー氏らは2013年、49犬種・8301頭の行動データを、犬種ごとの体高や体重、頭の形と照らし合わせました。

すると33もの行動の特徴が体の大きさや頭の形と連動しており、そのうち1つを除くすべてが、飼い犬としては困った行動でした。

その後の研究では、体高や体重が小さくなるほど、物音や見慣れないものへの怖がり、落ち着きのなさ、構ってほしがる行動が目立つようになると整理されています。

小さいこと自体が、気質の傾向と結びついている可能性が見えてきたのです。

そこへ遺伝子の側から切り込んだのが、2016年に発表されたザパタ氏らの研究です。

研究チームは、さまざまな犬種の数百頭の遺伝情報を、犬種ごとに知られている怖がりや攻撃性の傾向と照らし合わせました。

浮かび上がった遺伝子の中には、行動とは縁が薄そうなものが含まれていました。

体の成長を促す物質IGF1に関わる遺伝子と、HMGA2という遺伝子です。

どちらも、犬の体を小さくする変異を持つことで知られていました。

その「小さくする変異」が、留守番中の不安、体を触られることへの敏感さ、飼い主への攻撃性、同居犬との張り合いとも結びついていたのです。

研究チームは、同じ1つの変異が体の大きさと行動の両方に関わっている可能性を提案しています。

小さな体と、不安がりで張り合いの強い気質は、別々に受け継がれた性質ではなく、同じ遺伝子を根に持つひとつながりのセットなのかもしれません。

では、IGF1の領域にある「体を小さくする型」は、どこから来たのでしょうか。

アメリカ国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)などの研究チームは2022年、この領域で体の大きさを左右する1カ所の変異に狙いを定め、その起源をたどりました。

すると、小さくする型のほうが、もともとあった古い型でこの型はネコやフェレット、パンダにも共通しており、イヌ科の祖先も、この型を持つ小柄な動物だったとみられています。

この型と体の大きさの関係は、犬だけでなくオオカミやコヨーテでも確かめられました。

一方の大きくする型は、あとからオオカミの系統で生まれた新顔で、その誕生は5万3000年以上前にさかのぼるとされています。

人間は、小さな犬を選んで殖やすことで、この古い材料を小型犬の中に集めてきたと考えられています。

もしザパタ氏らが提案したように、体を小さくする変異が気質にも関わっているのなら、人間は小さな犬を選ぶうちに、気質まで知らず知らず一緒に選んできたのかもしれません。

もちろん、これらは犬種ごとの傾向であり、一頭一頭の性格を言い当てるものではありません。

それでも、遺伝学は、「弱い犬ほどよく吠える」の中身に、確かに迫りつつあります。

参考文献
Breed differences in canine aggression(Applied Animal Behaviour Science, 2008)
https://doi.org/10.1016/j.applanim.2008.04.006
Dog Breeds and Their Behavior(Domestic Dog Cognition and Behavior, Springer, 2014)
https://doi.org/10.1007/978-3-642-53994-7_2
Dog Behavior Co-Varies with Height, Bodyweight and Skull Shape(PLOS ONE, 2013)
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0080529
Associations between Domestic-Dog Morphology and Behaviour Scores in the Dog Mentality Assessment(PLOS ONE, 2016)
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371%2Fjournal.pone.0149403
Genetic mapping of canine fear and aggression(BMC Genomics, 2016)
https://doi.org/10.1186/s12864-016-2936-3
Natural and human-driven selection of a single non-coding body size variant in ancient and modern canids(Current Biology, 2022)
https://doi.org/10.1016/j.cub.2021.12.036

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