くじ引きで分けた試験を集め、「意味のある差」かどうかで判定した

集められたのは、ランダム化比較試験と呼ばれる試験だけです。
これは参加者をくじ引きでグループを分け、サプリを補う人と補わない人を比べるやり方です。
グループ分けを偶然にまかせることで、サプリ以外の事情が結果に混ざりにくくなります。
そのため、治療が本当に効くかを確かめる方法の中でも、特に強いものの1つとされています。
研究チームは2人1組で、それぞれ別々に試験を選び、データを取り出しました。
意見が分かれたときは、話し合って決めています。
試験ごとのやり方にかたより(バイアス)がないかも、決まった道具を使って点検しました。
試験の質にはばらつきがありましたが、それぞれの結果がどれくらい確かなのかも、決まった方法で「高い」「中くらい」などと評価しています。
そのうえで、メタ分析(たくさんの試験の結果をまとめて計算し直す方法)を行いました。
ここで出てくるのが「リスク比」で、サプリを補ったグループで骨折した人の割合を、補わなかったグループと比べた数字です。
1.00なら差がなく、1より小さいほどサプリのグループで骨折が少なかったことを表します。
ビタミンDだけの場合は36試験・9万2045人分で、リスク比はちょうど1.00、結果の確かさは「高い」でした。
カルシウムだけの場合は11試験・9067人分で0.91、確かさは「中くらい」です。
2つを一緒に補った場合は15試験・5万1126人分で0.91、確かさは「高い」とされました。
0.91と聞くと、少しは骨折が減っているように感じるかもしれません。
そこで大事になるのが、研究チームが決めていた「意味のある差」の線です。
チームは割合どうしを比べるだけでなく、実際に骨折する人がどれだけ減るかに目を向け、医療として意味があるといえる大きさの線を引いていました。
その線に照らすと、3つの補い方のどれも「ほとんど、あるいはまったく効果がない」という判断になったのです。
さらにチームは、年齢や性別、骨折や転倒をしたことがあるかどうか、ふだんの食事からとるカルシウムの量、ビタミンDの量や与え方などで参加者や試験を分け、計算をくり返しました。
それでも結果はおおむね変わらず、この一貫した結果が結論への信頼を強めています。


























