この手袋は、もう手話の通訳になるのか?

手の動きを読み取る手袋は、これが初めてではありません。
2020年にはUCLA(米カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のチームが、伸び縮みする糸のセンサーとAIを使い、集めた660通りの手の動きで98.63%の認識率を報告しています。
2019年には摩擦発電を使った手袋で、手の動きそのものから認識用の信号を作れることも示されていました。
精度の数字だけなら、もっと高い報告がすでにあるわけです。
実際の会話に近い使い方も、まだ試し始めた段階です。
研究チームは「こんにちは、手伝ってもらえますか?」という文の手話を、動きに合わせてその場で読み取らせました。
ただ、続けて行う文の手話をどれだけ正しく読めたかの数字は、報告されていません。
「自己給電」(電気を自分でまかなうこと)という言葉にも、注意がいります。
電気を自分で作るのは、センサーの部分だけです。
その信号を数字に変えて意味を読み取るには、ふつうの電子機器と、外から電気をもらうコンピューターが必要です。
そもそも手話は、手だけで話す言葉ではありません。
顔の表情や体の向きなど、手以外の合図でも意味が変わります。
2020年に手話の手袋について書かれた論評は、こうした読み取りや翻訳の技術は、耳の聞こえない人を対象にするところから始めるべきだと述べています。
ZME Scienceは、この手袋はまだ普段遣い出来るものではないとしたうえで、成果は別のところにあると見ています。
たくさん捨てられている素材を、しなやかなセンサーに変えたことです。しかもこのセンサーは測定の信号を自分で生み出すので、測る場所を増やしても、その1つ1つに電池から電気を送る必要はありません。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(センサーも電池も「脳」すらない”形状で動く”ロボット群を開発)
次に焼き魚のうろこを皿の端によける時は、それが未来の手袋の材料かもしれないと思うと、少しだけ丁寧に扱いたくなります。
























