顔・体・声の魅力は、同じ人の中でそろっていたのか?

これまでの研究では、男性について、体の部分ごとの魅力の評価がたがいに結びつくことが示されていました。
今回の研究は、それを女性も含めて確かめ直し、さらに広げようとしたものです。
まず顔と体の評価には、中くらいの強さの正の相関(一方が高いと、もう一方も高くなりやすい関係)が見られました。
顔が魅力的、あるいは健康そうだと評価された人は、体つきも魅力的、健康そうだと評価されやすかったのです。
この傾向は、男性でも女性でも同じように表れていました。
身体的な強さでも顔と体の評価はそろっていましたが、こちらは男性だけで、女性ではそろいませんでした。
肌の色も質感もない灰色の体からでも、顔の評価と重なるだけの形の情報が伝わっていたことになります。
顔と体については、「ワン・オーナメント仮説」に近い結果です。
ところが、声はまったく違う姿を見せました。
声の評価と、顔や体の評価のあいだには、はっきりした結びつきがほとんど見られなかったのです。
顔や体が高く評価された人でも、声まで同じように評価されるとは限りませんでした。
声については、体の部分ごとに別の情報を伝える「マルチプル・メッセージ仮説」に近い結果だといえます。
声は見た目とは別の通り道として、見た目だけでは伝わらない情報を相手に届けているのかもしれません。
一方で、テストステロン(主に男性ホルモンとして働く性ホルモン)やエストラジオール(主に女性ホルモンとして働く性ホルモン)の量が、こうした結びつきを部分的に説明しているという予想もありましたが、それに沿った結果は得られませんでした。
研究チームは、今後の研究では評価してもらう材料をさらに加え、ホルモンに関わるほかの項目も調べて、ホルモンが関わる体の仕組みを明らかにすべきだとしています。
また、ここで調べられたのは、あくまで他人から「どう見えたか、どう聞こえたか」という評価だという点にも注意が必要です。
私たちが誰かに惹かれるとき、顔と体からはひとつにまとまった印象を、声からはそれとは別の話を受け取っているのかもしれません。
相手の写真だけで「どんな人か分かった」と思うのは、物語の半分だけを読んで結末を決めるようなものなのでしょう。
写真写りに自信がない人も、留守電のあいさつくらいは、ちょっと気合いを入れて録り直してみてもいいかもしれません。






















