指先の「星」はどれほど敏感だったのか?

指先を顕微鏡でのぞくと、まず驚くほど細かな作りが見えてきました。
指先の房は、1本が4つに分かれる枝分かれを段階的に繰り返した形をしていたのです。
その結果、枝先の小さな房はカエル1匹あたり128個にもなっていました。
さらに房の表面には、ドーム状の小さな突起がびっしりと並んでいました。
その密度は1平方ミリメートルあたり約142個で、すぐ隣の指の皮膚の4倍近くにのぼりました。
では、この指先はどれほど敏感なのでしょうか。
フィラメントで前足のあちこちを押して調べたところ、最も小さな力で反応したのは房の先端でした。
房の先端が反応する力の中央値は0.07ミリニュートンで、前足の中で最も低い値だったのです。
つまり、前足の中で一番わずかな触れ方に気づけるのが、この指先の房だったというわけです。
神経の記録からも、同じ姿が浮かび上がりました。
前足の神経には、指先の房を担当する感度の高い神経が、不釣り合いなほど多く含まれていました。
これらの神経の多くは、押された瞬間と離された瞬間にだけ反応する「速く順応するタイプ」でした。
押され続けている状態よりも、「何かが動いた」という変化をとらえることに向いた神経だと言えます。
しかも、1本1本の神経が担当する範囲は狭く、房の中だけに収まっていました。
中には、指先に水の流れを当てたときにも反応する神経がありました。
一方で、指先以外の場所を担当する12の神経では、その場所に向きを変えながら水流を当てても、反応は見られませんでした。
脳でも、指先は特別扱いされていました。
視蓋では、指先からの情報が、体の並びに対応した地図のように配置されていました。
その地図の中で、指先は前足の表面積のわずか8%にすぎないのに、前足全体の担当領域の34%を占めていたのです。
面積の割に、4.3倍も大きく拡大されて描かれていた計算になります。
脳は、この小さな指先からの情報を特に手厚く扱っていたのです。





















